【MLB】楽観視できない復帰までの道。3年目、進化が必要な田中にとってリハビリが足かせに
ヤンキースの田中将大が20日に右肘を手術した。内視鏡での骨棘(こっきょく)除去手術はプロ野球選手ではよくある例で、来年のキャンプインには間に合う見込みだが、MLB3年目、進化しなければならない田中にとって、貴重なオフシーズンをリハビリに費やすことになる。
2015/10/23
Getty Images
野球選手にとっては職業病
ヤンキースの田中将大が20日に右肘を手術した。ただ手術と言っても右肘のじん帯を修復するトミー・ジョン手術ではなく、内視鏡での骨棘(こっきょく)除去手術。約6週間後には投球動作が行える見込みで、来年2月のキャンプには十分間に合うという。
「手術を受け、無事に成功しました。来年のキャンプには万全の体調で臨めるよう、しっかりリハビリに励みたいと思います」
田中は球団を通じてこうコメントを発表した。
骨棘や、ネズミと言われる遊離軟骨を除去する手術は、クリーニング手術とも呼ばれ、珍しいものではない。野球選手にとっては職業病のようなもので、少し手の込んだ体の手入れといったところ。
骨棘は投球時に肘の可動域を狭め、時には痛みを伴うことさえある。ネズミも同様で、こちらは肘の関節内を遊離した軟骨がチョロチョロ動き回ることにより痛みを伴うため、ネズミという呼び名が付いた。
マウンドに立つ投手はアドレナリンが全開のため、これらの痛みを感じずに投げ続けることが多い。田中のように闘志を前面に出して投げるタイプの投手はなおさらだろう。
ただシーズンが終わって、一時のオフを迎えた段階で、その痛みがぶり返してきた可能性が高い。こうした手術は、行うなら早ければ早いほうが良い。1日でも早く手術することで、来季開幕への影響を減らせるからだ。
田中が手術した20日は、シーズン終了から2週間が経過していた。オフに入り、検査を重ね、日常生活を送る中で、不安が大きくなり決断に至ったのだろう。球団によると、骨棘は楽天時代から存在していたという。