予想を大きく下回ったイチロー。米有力予測サイトが算出、2015年日本人MLB選手成績予想の結果
アメリカでは開幕前に行われる成績予測が一般的なものになっている。今季の日本人メジャーリーガーの多くは故障の影響もあり予測を下回る成績に終わったものの、ジャイアンツ移籍の青木は奮起。予測を上回る好成績をおさめた。
2015/10/25
Getty Images
予測を唯一上回った青木
MLBでは開幕前に各有力サイトが成績予測を行うのが恒例となっている。
この成績予測とは、選手の過去の成績や故障歴、年齢、本拠地球場の特徴などに基づく100%データのみから導き出されたもの、各媒体によって算出方法の違いこそあるが、選手のポテンシャルなど主観的なものは、排除されている。
今シーズンは、怪我や不振が目立ち期待通りとは言えない選手が多かった日本人メジャーリーガーだが、シーズン前にはどの程度の成績が予測されていたのだろうか。レギュラーシーズンを終えた今、改めて振り返ってみる。(成績予測は『MLB.com』に掲載されたものを使用)
まずは2人の外野手、イチローと青木のものから見てみよう。
イチロー
MLB.com 打率.265 2本塁打 18打点 12盗塁 出塁率.309 OPS.641
PECOTA 打率.272 0本塁打 16打点 10盗塁 出塁率.303 OPS.632
実際の成績 打率.229 1本塁打 21打点 11盗塁 出塁率.282 OPS.561
青木宣親
MLB.com 打率.281 5本塁打 47打点 18盗塁 出塁率.338 OPS.711
PECOTA 打率.270 2本塁打 43打点 19盗塁 出塁率.334 OPS.680
実際の成績 打率.287 5本塁打 26打点 14盗塁 出塁率.353 OPS.733
シーズン開幕前に自身3球団目となるマーリンズに入団、4番手外野手として故障が続いたレギュラー外野陣の穴を埋め、チームトップの153試合に出場したイチローだが、自己ワーストを大きく更新する34打席連続無安打の影響もあり、打撃成績はシーズン前の予測を大きく下回る数字となってしまった。
MLB、PECOTA以外の予測システムを見ても打率.250以下、OPS.600以下を予測したメディアは皆無だ。盗塁数はほぼ予測通りに落ち着き、達成が有力視されていたメジャー通算500盗塁にはあと4つ届かず。
こちらも新天地ジャイアンツに移った青木は成績下降の予測を裏切る活躍を見せた。
開幕3連戦で6安打の活躍を見せると、その後もコンスタントにヒットを重ね、現地20日のドジャース戦で死球を受け離脱するまでは、打率.317とテーブルセッターの役割を完璧に遂行。この死球さえなければオールスター出場の可能性も高かった。復帰後は後遺症の影響もあり打撃低迷したものの、打率.287、出塁率353はそれぞれ前年(.285/.349)を上回っている。来季は万全の状態でフィールドに戻ってきてくれることを願いたい。