【MLB】延長14回5時間9分の熱戦で数々のドラマ「忘れられないワールドシリーズ初戦の1つに」
ロイヤルズ対メッツの組み合わせで幕を開けたワールドシリーズ。先頭打者ランニングホームランの劇的な幕開けから始まった試合は、数々のドラマの末延長14回ロイヤルズ主砲ホズマーのサヨナラ犠牲フライで決着となった。
2015/10/28
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まさか……名手のエラーに、絶対的守護神が被弾
試合が動いたのは同点で迎えた8回表。2死2塁の場面で一塁への平凡なゴロをゴールデングラブ賞の名手エリック・ホズマーが後逸。ロイヤルズは痛恨の勝ち越し点を許してしまう。
メッツ戦での一塁手の失策というと往年のファンには、1986年メッツ対レッドソックスのワールドシリーズ第6戦でのビル・バックナーのサヨナラタイムリートンネルが思い出されるが、ワールドシリーズで8回以降にエラーによる勝ち越し点が入ったのはこの時以来29年ぶりのことだった。
絶体絶命に思われたロイヤルズだが、9回裏1死からアレックス・ゴードンがメッツ守護神ジュリウス・ファミリアの97mphのシンカーを捉えバックスクリーンへ起死回生の同点弾。ポストシーズンでここまで9回2/3を投げて無失点、7月30日以来セーブ失敗のなかった絶対的守護神を打ち砕いた。
10回表ロイヤルズの守護神ウェイド・デービスが3者連続三振に打ち取ったところで『Fangraphs』の名物記者デービッド・キャメロンはTwitterで以下のようにつぶやいた。
@DCameronFG: Familia just reminded us that no one is unhittable, but Wade Davis looks unhittable.
ファミリアは我々に打たれない投手などいないのだということを思い出させた、しかしウェイド・デービスは決して打てないように見える。
レギュラーシーズンでも圧倒的な成績を誇るデービスは、ポストシーズンではここまで20試合に救援登板し24回1/3で失点はわずかに1、防御率は0.37だ。リリーフに本格転向してわずか2年目ながら相手チームに与える絶望感は史上最強のクローザー、マリアーノ・リベラの域にまで近づいてきている。