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【MLB】「苦渋の決断」先発補強最優先のジャイアンツ。青木FAも、再契約の可能性あり

ジャイアンツは4日、青木宣親との来季契約選択権を行使しないことを発表した。青木はFAとなるが、これでジャイアンツの残留がなくなったかといえばそうではない。

2015/11/06

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青木の脳震とうの後遺症に対しては楽観視

 一つの実例と挙げられるのが、元阪神のライアン・ボーグルソンのケースだ。
 米球界復帰後も、主戦投手として活躍した右腕。2年契約を満了した13年オフ、球団側が今回の青木と同様に、14年の年俸600万ドルでの契約選択権を持っていたが、これを破棄されFAとなった。

 FA市場に出たボーグルソンだったが、派手な争奪戦には発展しなかった。
 FA選手の契約は12月上旬のウインター・ミーティングが一つのメドとなり、それ以前に決まるのはよほどの大物に限られるが、11月29日に再契約に合意。年俸は500万ドルに抑えられたが、規定を満たせば総額で600万ドルを超える潤沢な出来高が設定されていた。

 青木は8月に受けた頭部死球による脳震とうの後遺症で、9月は2試合の出場にとどまった。現在ではその後遺症も克服しているとみられるが、来季シーズン開幕後に影響が出ないとは言い切れない。そのあたりも、ジャイアンツの判断に働いた可能性もある。

 もっとも、現状では青木の脳震とうの後遺症について、ジャイアンツはある程度楽観視しているふしがある。エバンスGMは、電話会見で青木の健康状態については一切心配していない、と強調した上で、昨季から脳震とうの後遺症に悩まされるブランドン・ベルトについては「近日中に専門医の再検査を受けて、状態を見極める必要がある」と話した。2人の状態には、明らかな差を付けた。

 青木はFAとなり、全30球団に契約交渉の門戸は開かれる。
 リードオフマンタイプの外野手を必要とする球団には、安価も手伝い魅力的な選手の1人に映るだろう。
 ただ、米メディアの報道でも、GMの口ぶりからも、青木自身がサンフランシスコという町を気に入り、残留を希望していたということは感じ取れる。

 交渉の行方が不透明なのはもちろんだが、残留への門戸は決して閉じてはいない。

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