【MLB】最短期間での復帰よりダルビッシュが選択した”ノースロー”。レ軍最新のリハビリプログラムは壮大な実験
レンジャーズのダルビッシュ有の復帰までの見通しをジョン・ダニエルズGMが明らかにした。本人はまもなく日本へ帰国し、5~6週間はノースローで調整する。この”ノースロー”がポイントだ。
2015/11/15
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リハビリ過程で約1カ月半ノースロー
壮大な実験の中で、価値あるエッセンスとなるか。
レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは12日まで行われたGM会議の中で、ダルビッシュ有のリハビリ内容に言及。まもなく日本へ帰国し、5~6週間はノースローで調整させる方針を明かした。
「彼は予定通りに順調だよ。移植した靱帯はなじんできている。次はノースローになる。これはトミー・ジョン手術からのリハビリ過程で、我々が取り入れている最新のプロセスの一つだ」
取材した地元紙フォートワース・スターテレグラムによると、ダルビッシュは年明け早々にも米国・ダラスに戻り、スローイングプログラムを再開。そこまでの間は、いわゆるオフシーズンとして、ノースローで患部を休ませるという。
右肘の靱帯を、別の部位からの移植によって修復させるトミー・ジョン手術は、我慢との戦いだ。手術から復帰までは最低でも1年以上がかかる。もっとも大抵の投手は、当然最短期間での復帰を目指す。5~6週間もノースローとなれば、患部への負荷だけでなく、筋肉強化の面でもリセットとなる。最短復帰だけを考えれば「後退」にあたるわけで、1日も早くマウンドに帰りたい選手にはなかなか受け入れがたいものだろう。
だが、ダニエルズGMは「ダルビッシュ本人もこのやり方には賛同し、納得している」と付け加えた。チームも、本人も、最短復帰だけを追い求めているわけではないのだ。