【MLB】最短期間での復帰よりダルビッシュが選択した”ノースロー”。レ軍最新のリハビリプログラムは壮大な実験
レンジャーズのダルビッシュ有の復帰までの見通しをジョン・ダニエルズGMが明らかにした。本人はまもなく日本へ帰国し、5~6週間はノースローで調整する。この”ノースロー”がポイントだ。
2015/11/15
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同じ手術を受けたペレスのリハビリプログラムが成功事例に
いくつかの理由がある。まずは身近な成功例。
レンジャーズでは、昨年5月に左腕マーティン・ペレスがトミー・ジョン手術を受けた。左腕は今年7月17日のアストロズ戦でメジャー復帰。そのまま先発ローテーションを守り通し、今季は14試合で3勝6敗、防御率4.46の数字を残した。敗戦投手となったが、レンジャーズとの地区シリーズ第3戦でも先発を任された。
同GMによると、レンジャーズのメディカルスタッフがリハビリ過程で初めてノースロー期間を導入したのがペレスだったという。
チームはこれが結果的に功を奏し、ペレスの左肘は力強さを取り戻した、と手応えを深めている。同様のプロセスをダルビッシュにも、という考えだ。
結果的にペレスが復帰まで擁した期間は、術後14カ月。今年の3月にメスを入れたダルビッシュの復帰へも同じ日数を見積もり、来年5月半ばへの復帰を現実的な目標として設定している。
トミー・ジョン手術からの復帰を焦った選手は、再び患部を痛めたり、ひどい場合には再手術を迫られるケースさえある。一時的なノースロー期間を取り入れることで、そこまでのリハビリで積み重なったストレスは軽減され、移植した靱帯がなじむための時間も確保することができる。