大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



セーブ成功率87%の上原と91%のキンブレル。MLBを代表する抑え2枚でレ軍・新「勝利の方程式」

ボストン・レッドソックスは、MLB屈指のクローザーであるクレイグ・キンブレルをパドレスからトレードで獲得。田澤、上原とともに強力なリリーフ陣が形成される。

2015/11/19

text By

photo

Getty Images



投球スタイルは対照的

 上原浩治とクレイグ・キンブレル、ともにMLBを代表するクローザーだが二人のプロフィール、投球データは対照的だ。過去3年のスペックを比較してみよう。
 SO9は9回あたりの奪三振数。BB9は9回あたりの与四球数。SO/BBは三振数÷四球数となる。

◆上原浩治 41歳 身長188cm 体重88.5kg
速球の平均球速 143km前後 SO9 11.47 BB9 1.34 SO/BB 8.77 被安打率.175
球種 フォーシーム、スプリット、スライダー

◆クレイグ・キンブレル 27歳 身長180cm 体重99.8kg 
速球の平均球速 156km前後 SO9 14.08 BB9 3.51 SO/BB 4.11 被安打率.165
球種 フォーシーム、カーブ

 二人の速球の球速差は13キロもあるが、ともに投球回数を大きく上回る三振を奪っている。キンブレルのSO9の14.08は驚異的だが、上原の数字も優秀だ。
 BB9では、上原がキンブレルを大きく上回っている。上原の制球力はMLBでも屈指だ。被安打率はともに、リーグトップクラスの水準だ。

 キンブレルが、最速100マイル(約161km/h)のフォーシームで打者を圧倒し、キレのあるカーブで三振を奪うのに対し、上原ははるかに遅いが球の出所が見づらく絶妙の位置に投じられる速球でカウントを有利にし、スプリットで仕留めている。
 投球スタイルは対照的だが、ともにマウンドに上がれば相手打者があきらめるような圧倒的な存在感があるのだ。

 上原はレンジャーズやオリオールズでセットアッパーとして活躍していた経験も持っている。十分に対応できるだろう。

 全くタイプが違う二人の救援投手が8回、9回に続いて出てくる。
 打者にしてみれば、まことに厄介なことだ。
 キンブレルの加入で7回の田澤から上原、キンブレルと球界屈指の「勝利の方程式」が誕生した。レッドソックスにとって、大きな武器となるのは間違いない。

1 2


error: Content is protected !!