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【MLB】守備に衰えなし――限られた守備機会でタイトルに匹敵する数字を残したイチロー

10日、MLBのゴールドグラブ賞が発表となった。

2015/11/23

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守備を評価する数値ではリーグ2位

 大リーグ各賞の表彰が続き、守備のベストナインにあたるゴールドグラブ賞も10日に発表された。01~10年まで10年連続受賞の常連だったマーリンズ・イチローの名前はなかったが、今季も限られた守備機会でタイトルに匹敵する数字を残していた。

「第4の外野手」という扱いのイチローが今季、最も就いた守備位置は右翼で73試合。次いで左翼が30試合、中堅が7試合、そして投手が1試合だった。

 右翼のゴールドグラブ賞に輝いたのはヘイワード(カージナルス)で2年連続3度目。このオフにFAとなり、市場では最大の目玉選手と呼び声高い。予想契約は、総額で1億5000ドル(約184億円)とも、2億ドル(約246億円)とも言われるほど。そこまでの数字が並ぶのは、まだ26歳という若さもあるが、打力以上に安定した守備力が高く評価されているからだ。

 守備を評価する数値で最も信頼の高いものの一つにUZR(Ultimate Zone Rating)がある。ヘイワードのUZRはリーグトップの20.2。それに次ぐ2位が、イチローの8.6だった。

 21世紀に入り根付いたUZRは「平均的な選手が守った場合と比べ、守備でどれだけの失点を防いだか」を概念とする。算出方法は複雑で、専門家の手を借りる必要がある。日本ではデータスタジアム社やDELTA社が算出している。

 大枠では、まずグラウンドを多数のゾーンに区分。各ゾーンに飛んだ打球の種類や速度を測定する。例えば、リーグ平均で30%の野手がアウトにできる打球を素早い反応や巧みな処理でアウトにすれば、100%-30%の計算で70%(0.7)が加算素数となる。
 そこに得点係数をかけて1プレーへの評価点が決まる。外野への安打なら0.83で、0.7×0.83=0.581。なおこの0.83という数字は、安打になるはずの打球をアウトにした場合、チームの失点を平均0.83点減らす、という統計による。
 失策や、一般的にアウトにできる打球を安打にしてしまった場合などはマイナス点となる。これをシーズン通じて増減させていく。

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