【MLB】「レッドソックスは後悔」投手史上最高額約270億円、プライスの契約に否定的な理由
MLB投手史上最高額でボストン・レッドソックスと契約が地元紙で報じられたデビット・プライス。経済雑誌の『フォーブス』WEBサイトではすぐさまこの大型契約に対して否定的な記事を報じた。
2015/12/02
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レッドソックスと破格の契約
地元紙『ボストン・グローブ』がデビッド・プライスとボストン・レッドソックスの7年2億1700万ドルの契約合意を報道した。
年間3100万ドルはMLB投手史上最高額で3年目終了時にはオプトアウトの付帯も盛り込まれている。レッドソックスは結果的に9300万ドルの支払いで済む可能性もあるが、経済誌『フォーブス』WEBサイトにてジョシュ・ベンジャミン氏はどちらにせよレッドソックスにとっては後悔することになる契約だと報じた。
ベンジャミン氏は破格の契約を勝ち取ったプライスに対し、契約そのものに否定的ではあるものの、30歳のプライスがここまで成し遂げた実績は認めていた。2008年にタンパベイ・レイズでMLBデビューして以降、通算104勝56敗、防御率3.09で1372奪三振。オールスターにも5度選出され、2012年にはアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞を受賞した。
2015年シーズンはアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞の投票では2位に終わり、シーズンを18勝5敗、防御率2.45で終えた。
シーズン途中にトロント・ブルージェイズへ移籍後は9勝1敗、防御率2.30でチームのプレーオフ進出に大きく貢献でした。このオフシーズンにこれほどの大型契約を取れるとしたら、それはプライスだっただろうと、ベンジャミン氏は援護もする。
それでも破格な契約に否定的な理由をこう述べる。
“But consider this. Despite his strong regular season performance, Price has largely underachieved in the postseason. He has a career postseason record of 2-7 and a 5.12 ERA across 14 postseason appearances, eight of which he started, and both of those wins came in relief. Playing in the hyper-competitive AL Eastern Division, home to teams like the New York Yankees, aforementioned Blue Jays and Rays and also the Baltimore Orioles as well as the Red Sox, the mentality from start to finish is often World Series or bust, especially in Boston.”
「けれどもこれから述べる事実も頭に入れてほしい。レギュラーシーズンでの素晴らしい活躍に反して、ポストシーズンでは期待に見合う成績を残せていない。ポストシーズンでは通算14試合で2勝7敗、防御率5.12でそのうち8試合は先発だったが、2勝はリリーフ投手としてあげている。ニューヨーク・ヤンキース、上記で述べたトロント・ブルージェイズ、レイズ、そしてボルティモア・オリオールズ、さらにはボストン・レッドソックスが所属する競争が激しい東地区ではシーズン開幕から終了までワールドシリーズ制覇以外は考えられないという考え方だ。特にボストンではそうだろう。
不良債権となりつつあるレ軍の主力選手
ベンジャミン氏はさらにレッドソックスが抱える他の不良債権となりつつある大型契約の選手の現状を紹介している。
三塁手のパブロ・サンドバルはレッドソックス1年目で怪我に見舞われ、打率.245、10本塁打にとどまり、まだ契約4年と7000万ドルを残している。
ハンリー・ラミレスは19本塁打、53打点をあげたものの打率は.249と低迷し、たった105試合にしか出場できなかった。彼もまだ契約4年8800万ドルを残している。
投手陣に目を向けても昨季9勝15敗、防御率4.92で終えたリック・ポーセロは8100万ドルの契約を残している。そこにプライスの新たな契約を加えると、ドンブロウスキー編成本部長はデトロイト・タイガース時代に悪い契約を結び続けた悪循環を新天地でも続けていることになると危惧している。