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青木はイチローの後継者にあらず。マリナーズ不動の1番打者へ近道は”安打より出塁”

ジャイアンツからFAとなっていた青木宣親は脳振とうの後遺症が心配された身体検査もパスし、マリナーズへの入団が正式に決まった。

2015/12/04

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実力でレギュラーの座をつかめるか

 ジャイアンツからFAとなっていた青木宣親が、マリナーズと1年契約を結んだ。
 脳しんとうの後遺症が心配された身体検査もパスし、3日に本拠地セーフコ・フィールドで入団会見に臨んだ。背番号は8にきまった。
 
 マリナーズといえば、大先輩・イチローが12シーズンを過ごしたイメージが強い。
 気の早いメディアは早くも「1番・右翼」の後継者に青木を指名。鉄壁の守備から「エリア51」とも呼ばれた聖域を引き継ぐとはやしたてるが、布陣を見渡すとそう簡単な話ではなさそうだ。
 
 ジェリー・ディポート新GM、スコット・サービス新監督が就任したマリナーズは、このオフ最も積極的に動いているチームの一つだ。再建過程のチームは、トレード交渉の駒も含めて豊富な人材を外野や、リンクする一塁手・DHに抱えている。
 
 青木との契約も、今季22本塁打した強打の外野手マーク・トランボをオリオールズに放出した直後に、合意に達した。
 
 現時点で、レギュラークラスの外野手がネルソン・クルーズ、フランクリン・グティエレス、セス・スミス、レオネス・マーティンと4人。クルーズがDHに回るとしても、そこに青木が加わればレギュラーを固定することは難しい。
 
 入団会見の場などで首脳陣がリップサービスするのは、よく見られるシーン。実際には「1番・右翼」が保証された状態ではないことは明白だ。
 
 もちろん青木も競争は承知の上での決断だろう。
 昨年のジャイアンツとの契約直後も、決して左翼のレギュラーが確保されていたわけではなかった。
 ただ、開幕直後から好調なスタートを切り、ライバルを寄せ付けなかった。主砲の正右翼手ハンター・ペンスが出遅れたことも大きかった。
 実力でグレゴリー・ブランコ、ジャスティン・マクスウェルらとの競争を制し、出場機会をモノにしたのが今季前半戦の青木だった。
 
 その後、2度の死球の影響で戦線離脱を余儀なくされたのは周知の通り。「あのままプレーしていれば彼はオールスターでプレーしていたし、キャリア最高の数字を残しただろう」と指揮官のブルース・ボウチー監督も話す。

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