【MLB】「爆買い」から効果的な資金投入へ。岩隈獲得が象徴する、ドジャースの編成方針転換
岩隈獲得は、ドジャースの編成方針転換の具体例だ。「爆買い」を続けてきた球団が、今や効率的な資金投入を志向している。
2015/12/10
無尽蔵に資金投入で大型契約
岩隈獲得はドジャースの編成方針転換の象徴的な出来事だった。
『SBネーション』のグラント・ブリスビー記者は、その記事「ドジャースは今やごくまっとうなお金持ち球団」で、数年前まで無尽蔵に資金を費やしてきた球団が、効率的な投資を志向しているという見方を示している。
現経営陣は2012年にドジャースを買収してから、その途方もない資金力をバックにカネに糸目をつけない補強を続けていた。
その最たる例が、同年8月にレッドソックスからエイドリアン・ゴンザレスを獲得したいがために、同球団が持て余しているジョシュ・ベケットやカール・クロフォードらの不良債権選手もセットを引き取り、将来にわたる2億6000万ドルもの残契約を気前よく受け入れたトレードだった。
そのトレード直後、共同オーナーの1人であるスタン・カーステンは、選手獲得の予算上限はどこにあるのか?と聞かれこう語っている。
“I haven’t found it yet, I’ll let you know when we get there.”
「さあ、どのあたりだろう?わかったら教えるよ」
その後もドジャースの「爆買い」は止まらなかった。
2012年12月には韓国プロ野球からポスティング移籍を目指していたリュ・ヒュンジュンを、ポスティング費2573万ドルに+6年3600万ドル獲得すると、その翌日にはエンゼルスからFAのザック・グレインキと6年1億4700万ドルで契約した。翌年オフにはエースのクレイトン・カーショウと7年2億1500万ドルで契約延長した。当時の大判振る舞いぶりをブリスビーはこう表現している。
They would just keep adding players and worry about the rest later.
とりあえず選手をかき集め、考えるのはその後だった。