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【MLB】「爆買い」から効果的な資金投入へ。岩隈獲得が象徴する、ドジャースの編成方針転換

岩隈獲得は、ドジャースの編成方針転換の具体例だ。「爆買い」を続けてきた球団が、今や効率的な資金投入を志向している。

2015/12/10

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岩隈獲得は、効果的な資金投入

 しかし、その後ドジャースは変わった。
 ターニングポイントは昨年オフにアンドリュー・フリードマンを編成担当副社長として迎え入れたことだ。フリードマンは、資金難で最下位が定位置だったレイズを巧みな選手獲得や育成でリーグ有数の強豪に育て上げた、やり繰り上手のGMだった。
 
 フリードマンが取り組んだのは中・長期的な年俸総額の流動性の確保だった。
 マイナー組織に有望な若手が多いこともあり、なるべく長期契約を避けた。選手をいつでも入れ替えることができるフレキシビリティを重視した編成を進めたのだ。現時点で2019年以降まで契約が残るのは、彼が加入する前に契約延長を済ませていたカーショウだけだ。
 
 今週、ドジャースは岩隈を3年総額4500万ドルで獲得した。それは、ドジャースにとってクレイトン・カーショウと並ぶ先発の2枚看板だったグレインキをダイヤモンドバックスに獲られた直後だった。このことを、「条件提示合戦でダイヤモンドバックスに敗れたドジャースは、焦ってFA市場に残っていた岩隈で取り敢えず穴を埋めた」と考えるのは正しくない。
 
 ドジャースは、サイ・ヤング賞候補者に途方もない金額を長期にわたり費やすより、平均以上の投手と長すぎない契約を結ぶ方が賢明と考えたのだ。
 
It was someone getting the used Corolla instead of cashing out their 401(k) for a Porsche,
確定拠出年金を全てつぎ込んでポルシェを買うのではなく、(それで十分用が足る)中古のカローラを選択するということだ。
 
 これが、現在のドジャースの資金の使い方だ。「ごくまっとうな資金力のある球団」になったということだ。
 
出典:”The Dodgers are just a normal rich team now”@ SB nation by Grant Brisbee in Dec. 7th 2015

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