規定打席、規定投球回数をクリアした選手はゼロ。来季、日本人MLB選手の巻き返しなるか【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は日本人MLB選手の2015年シーズンについてだ。
2015/12/11
Getty Images
前田健太はMLBで結果を残せるか
1995年、野茂英雄が2人目の日本人MLB投手として海を渡ってから今季まで、40人の日本人投手がMLBのマウンドに立っている。彼らの一覧。■は規定投球回数到達。
野茂英雄の活躍に刺激を受けて、多くの投手が海を渡った。当初は先発投手が多かったが、97年以降救援投手も増加した。
また小宮山悟や桑田真澄、上原浩治のように、NPBでは主として先発で起用された投手が、MLBでは救援投手で起用されるケースも増えた。
2002年には11人もの日本人投手がMLBで活躍した。
2007年には松坂大輔が5111万ドル余という巨額のポスティングフィーでレッドソックスに入団。日本のエース級はのきなみMLB移籍の話が持ち上がる事態となった。
しかし井川慶や川上憲伸など、NPBで実績があるにもかかわらずMLBで活躍できない投手も出るようになり、2012年からはポスティングフィーの上限が設けられたこともあって、NPB投手のMLBへの流出は一息ついた感がある。
来季は前田健太のMLBへの移籍が現実的だ。争奪戦が行われているが、その陰で元DeNAの大田阿斗里がサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結んだ。
こうした選手が活躍することで、NPB選手のMLBでの評価はまた変化するだろう。
前田健太だけでなく、こうしたマイナー契約の選手にも注目していきたい。