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【MLB】ロイヤルズらが成功例。世界一へ強力ブルペン形成の重要性――高騰するリリーフ投手の価値

セイバーメトリクスが普及した当初、リリーフ投手は替えの利く存在と一部では思われていた。だが強力なブルペンを武器に2年連続ワールドシリーズ進出を遂げたロイヤルズの存在が、再びリリーフ投手の価値を高騰させるものとなり、MLB全体で「リリーフ投手は重要な存在である」ということを再認識させることとなった。

2015/12/15

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替えの利かない重要な存在

 セイバーメトリクスが普及し、データ野球を重視する者にとって、リリーフ投手は比較的替えの利く存在であり、良いリリーフ投手は誰でもクローザーになれると一部では考えられていた。

 しかしこのオフシーズン、リリーフ投手を取り巻く契約内容を見ていると、その考えは変わってきているのではと『FOXスポーツ』のケン・ローゼンサル記者が分析している。

 その一つの例として、ローゼンサル氏が挙げるのはセイバーメトリクスを多く取り入れていると思われるヒューストン・アストロズだ。
 昨シーズン、アストロズは右のリリーフ2人、ルーク・グレガーソンとパット・二ーシェクに合わせて総額3100万ドルを費やした。

 今オフの補強を見ても、先日左腕リリーフのトニー・シップと3年1800万ドルの契約を結んだばかりだ。さらにフィラデルフィア・フィリーズから抑えのケン・ジャイルズを獲得するために2対5のトレードを敢行した。
 おそらくジャイルズがグレガーソンに代わって新守護神になるだろうと、ローゼンサルは予想している。

 積極的にリリーフ投手の補強を進めるアストロズのジェフ・ルーナウGMも持論を述べている。

“I think it’s overly simplistic to assert that executives who use analytics believe good closers or good relievers are overvalued. Good players are valued, and elite players even more so. Also, that high-leverage, late-inning role is the hardest role in the game. It’s not something everyone who throws hard can do. We’ve proven that over and over again as an industry.”
「統計学を使う球団のトップ全員が、良いクローザーやリリーフ投手は過大評価されているという考えを持っていると断言するのは、簡単に割り切りすぎている。良い選手は評価し、エリートと呼ばれる選手なら尚更高い評価をしている。試合終盤の重要な場面を抑える役割は大変な仕事のうちの1つだ。速い球を投げる投手、全員が抑えられるものではない。それはこの世界で、何度も何度も証明されてきた」

 ルーナウGMはブルペンに速球派の投手が足りていなかったため、2015年シーズンもトレード期限日前にアルロディス・チャップマンやクレイグ・キンブレルの獲得を目指していたことを明かした。
 両者を獲得することは実現せず、シーズンの最終月、そしてディビジョンシリーズの第4戦での負け方により、プルペンの底上げが今後必要であることを再認識させる形となったはずだと、ローゼンサル氏は指摘する。

 アストロズがつい最近獲得したケン・ジャイルズはフィリーズがジョナサン・パペルボンを7月28日にトレードで放出してから守護神となり、MLBのリリーフ投手としては10位にランクする平均96.5マイル(約155km)を叩き出していた。

 これまでアストロズ一番の速球投手はジョシュ・フィールズであり、平均94.1マイル(約152.5km)とMLB47位にランクしていた。球速はピッチングの一つの要素でしかないが、投手にとっては空振りが取りやすくなる。ローゼンサル氏は、「空振りを取れるのは投手にとって良いこと」と、持論を続けた。

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