【MLB】「契約最終年にすべてを」インディアンス、村田透がNPB復帰を選ばなかった理由
今オフ、村田透の去就がスポーツ紙面をにぎわせた。実際に本人もNPB復帰を考えたという。しかし最終的には来年もアメリカでプレーすることを選択した。その理由とは?
2015/12/17
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先発以外に生きていく道はない
つまり、これがインディアンスにおける村田の立ち位置なのだ。
球団の方針は来季も変わらない。つまり3Aでリザーブしておき、メジャーで先発投手が足りなくなったときだけ、暫定的に40人枠に入れ、ローテーションの穴を埋めてもらう。
それならば、リリーフに活路を見出せばとも思えるが、それについても村田は冷徹に自身を見ている。
「いや、それなら他のピッチャーを選びますよね。中継ぎには、パワーピッチャーのほうが適していますから。あくまでチームの僕に対する評価は、先発ピッチャーとしてのものです。そこでしか生きていく道はないと思います」
「アメリカ残留」は、村田にとって、平坦な道のりではない。その茨の道を歩み続けることに彼自身葛藤もあった。
メジャーキャンプ招待――当初、村田が定めた最低条件はこれであった。
「メジャー契約40人って言っても、シーズンに入れば、ベンチ入りは25人。メジャー契約で囲い込まれた有望株の若い選手の何人かは、レギュラーで試合に出れるように2Aに回されます。だから3Aの25人のうち、半分弱はメジャーリーガーなんです。春のキャンプでは、マイナー契約の3A選手のほとんども招待選手としてメジャーに合流しているので、僕みたいにマイナーのキャンプスタートっていうのは1人か2人なんです。今年はチーム事情で3人いましたが。それって、キャンプの時点でノーチャンスってことですよね。今までは、仕方がなかったかもしれませんが、今年は数字を残したんですから、来年はメジャーキャンプスタートでないと、アメリカへ行く意味がないですよね。3Aが嫌というのではなく、あくまで目標はメジャーなんですから。契約が残っているので、球団とも話し合わないといけないのもわかっていますが、マイナーキャンプスタートということであるならば、他の球団へ移籍ということも頭にあります」