【上原浩治インタビュー#4】キンブレル加入も、8回のポジションを確保してからクロ―ザーを奪いにいく
いよいよ2016年を迎えた。昨年はシーズン途中で怪我のため離脱したものの、ボストン・レッドソックスの守護神として活躍した上原浩治選手。当サイトでは年末年始、4回にわたりインタビューを掲載する。最終回は2015年を振り返りつつ、今季への思いを聞いた。
2016/01/03
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引退というゴールを迎えるまでは全力で駆け抜ける
――このオフ、レッドソックスがえげつない補強をしました。デビット・プライス 、キンブレルが加入。今年の開幕直前にキンブレルがパドレスに移った時も驚きましたが。
上原 この移動がアメリカなんですよね。想像ができないようなことが起きますからね。
――キンブレルが加入することは、監督から話があったという報道がありましたが、本当ですか?
上原 電話がありました。公になる前に監督から電話があって、キンブレルを獲得することが決まったから、8回に(セットアッパーに)回ってくれと。
――そういうことを連絡してくるのがアメリカらしいですね。
上原 どうなんですかね。僕も初めてのことなので、ほかの選手がどういう連絡を受けているかは知らないです。律儀な監督という見方もありますよね。わざわざ連絡をくれるというのは。
――キンブレルと組むことに対する喜び、やりがいはありますか?
上原、まずその8回のポジションを確保しないといけないです。確約されたわけではありませんから。それに、僕も8回で収まるつもりもないと思っていますし、9回を奪うつもりでいます。そこは競争ですから。
――8回をしっかりやって、9回もやれるように、と。
上原 メジャーにいるという目標なら、それ(8回)でいいんでしょうけど、この3年、ボストンでクローザーをやらせていただいてやりがいを感じています。抑えた瞬間にファンと喜ぶことができるのが一番うれしいです。
――2016年、どんなシーズンにしたいですか?
上原 まずはケガなくやりたい。契約最終年ですから、自分の契約がどうなるかわからないわけじゃないですか。もしかしたら来年で終わるかもしれないので、悔いのないようにやりたいです。
――いつ落ちるかわからないという気持ちはずっと持っているんですか?
上原 常に綱渡りの人生です。いつ落ちるかわからない。それは今でも思っていますよ。安心する瞬間がないです。引退するまでそういうことにはならないと思います。
――その気持ちが上原投手を高い所に上らせるんでしょうか?
上原 ゴールはないですから。あるとしたら、引退するときがゴール。そこのゴールまでは全力で駆け抜けるしかない。そこが、安心するときであるだろうし、自分の中で満足する時期になるんでしょうね。