【MLB】対照的な二人が殿堂入り。史上最高99.3%の得票率、ドラフト全体1位のグリフィーJr.と全体1,390位のピアッツア
ドラフト全体1位指名でメジャーリーガーの息子としてキャリアをスタートしたグリフィーJr.。対照的に全体1,390位指名で底からキャリアをスタートしたマイク・ピアッツア。プロ野球選手として全く違ったスタートを切った2人は、ステロイドが蔓延する時代を勝ち残り、ついに殿堂入りを果たした。
2016/01/08
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92年のトム・シーバーを上回る得票率
2016年夏の殿堂入り選手にケン・グリフィーJrとマイク・ピアッツアが選出された。グリフィーJrは過去最高となる最多票で殿堂入りを決めた。
ステロイドが蔓延した時代で一度も薬物使用に結びつけられることがなかったスターが満票440票のうち437票を獲得する99.3%の史上最高得票率で1992年トム・シーバーの98.84%を上回ってのクーパーズタウン(野球の殿堂)入りとなった。
史上初の満票での殿堂入りも予想されていたが、「不満なんてないよ。選出されるだけでも誇りなのに、史上最高の得票率を獲得することができて、衝撃を受けている」とコメント。
グリフィーは周囲から「ジュニア」として親しまれ、父もMLBで長年プレーしていた。1990-91年は親子一緒にシアトル・マリナーズでプレー。現役生活で一番の思い出はと問われ、迷いなく父と同じチームでプレーしたことを挙げた。マリナーズでのプレー後は家を構えるフロリダの近くの球団でのプレーを希望し、1999年シーズン終了後に父もプレーしたシンシナティ・レッズへ移籍。そんな父を見て育ったグリフィーJr.は現在2人の親である。
彼のグラウンドでの栄光を称える記事が多かったが、アリゾナの地元局のウェブサイト『タスコン・ニュース・ナウ』では、「ケン・グリフィーJrは父としても殿堂入り」という特集記事を組んだ。グリフィーJrの息子と娘はともにアリゾナ大学に通うアスリートであり、アスリートを持つ父親として、2人を見守っている様子が記事内では紹介されている。息子はアメリカンフットボール、娘はバスケットボールをプレーしている。
アリゾナ大学でアメフトチームのHCを務めるリッチ・ロドリゲスは選手の父という立場で交流を持つジュニアについて、「私がこれまで関わってきた中でも最高の親の1人だ」として下記のように話した。
“That’s the way Junior is anyway. He doesn’t need to be the center of attention. He’s already done that. He’s just being a dad.”
「ジュニアはいつもそうだ。注目の的になる必要がない。もうすでにその役割を果たして来た。今は1人の父親であることに徹している」