アリーグMVPは三度目の正直でマイク・トラウト? 【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第14回目は、今季のメジャーリーグのMVPを数値から予測した。
2014/10/31
ナリーグのMVPは混戦か!?
次にナリーグを見てみよう。こちらは混戦だ。
1位には打撃タイトルを取っていないブリュワーズのジョナサン・ルクロイ。
2013年のWBCにも出場した選手で長打力もあり、選球眼も良いが、WARがここまで高かったのは、ルクロイが捕手だったことも大きい。
WARの守備ポイントは守備位置によって異なり、特に捕手は数値が大きいのだ。
2位に2年目の内野手レンドン。2011年のドラフト全体6位でナショナルズに入団し、急速に成長。ナショナルズの東地区優勝に貢献した。
レンドンも得点こそ1位だが、他のタイトルはとっていない。
そういう意味では3位のジャンカルロ・スタントンは本塁打王に輝いた。ただマーリンズはポストシーズンに進出できなかった。
世界一になったジャイアンツでは、捕手のバスター・ポージーの名前が上がるだろう。
2012年のMVP。この選手も長打力と選球眼に優れている。
このようにナリーグは決め手に今一つ欠けるため、混戦が予想される。
ひょっとすると、今年抜群の成績を上げたドジャースの左腕エース、クレイトン・カーショウが割り込んでくるかもしれない。
MVP投票を通してわかるのは、アメリカの野球ジャーナリズムが今、「どんな指標、どんなプレーを重要視しているか」ということだ。
野球のトレンドを知る上でも重要なのだ。
ぜひ誰がMVPに選出されるのか、注目してほしい。