【MLB】成功報酬型契約を結んだドジャース・前田健太に見える『自信』と『覚悟』
ドジャース・前田健太が誕生した。異例な契約内容に注目が集まるが、それは何を意味するのか。
2016/01/11
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逆境をプラスに
前田は発表当日、ドジャースタジアムで行われた入団会見において「イレギュラーな点」が身体検査で見つかったことを打ち明けている。これが契約を結ぶ上で球団側から足元を見られる大きな要因となったのは言うまでもない。
だが、そうかと言って前田の活躍に懐疑的な目を向けるのは早計だ。
ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を公言した際、前田は日米のメディアを通じて「西海岸の球団が希望」ということを訴えた。この言動は冷静に考えれば入団意思のある球団を限定させ、必然的に競合球団も少なくなることから交渉をする上で強気に出られなくなる可能性があったのも事実だ。それでも前田があえてアピールに踏み切ったのは、もともとドジャースが意中の球団であったのだろう。
うがった見方をすれば「がんじがらめ」とも思えるような8年契約を結んだことについても、ドジャーブルーのユニホームを長きに渡って着続けようという前田の強い意志の表れと見る。身体検査で「イレギュラーな点」が見つかったとあえて明かしたことも、その逆境をプラスに変えてやろうとする自信と覚悟が本人の中にあるからではないだろうか。
ようやくメジャー挑戦の夢を実現させた前田がドジャースの背番号「18」としてマウンドで躍動し、巨額の出来高を手にして世間を再びアッと驚かせることを期待したい。