【MLB】「前田のヒジにライオンが潜む」不安を抱えつつも頭数が揃ったドジャース先発陣は魅力的
ドジャースには、身体検査で「異常あり」とされた前田健太を筆頭に不安を抱えた先発投手が多い。しかしその不安をカバーするほどに頭数が揃っている。
2016/01/12
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「やりくり上手」なドジャース
エースのクレイトン・カーショウ以外は故障持ちや手術明けが多いドジャースの先発投手陣は、多くのリスクを抱えている。『SBネーション』のグラント・ブリスビー記者は「リスク」をテーマにドジャースの先発投手陣を評価・解説している。その結論は「それでもドジャースはスゴイ」だった。
ドジャースはかつて散財球団だったが、一昨年10月に「やりくり上手」として有名だったレイズGMのアンドリュー・フリードマンを編成担当の責任者として招き入れてからは劇的に変わった。
Instead of throwing ingots at one or two established All-Stars, then doing it again if it doesn’t work — the strategy pioneered by the New York Yankees over the years — they’re using their money in a much different way.
金塊を1-2人のスターに投じ、それが失敗に終わればもう一度繰り返すという、元祖のヤンキースが何年も採用していた戦略ではなく、予算をいろいろな用途に使っている。
その結果、ドジャースの先発投手陣のほとんどは何らかのリスクを抱えているものの、その数は圧巻だ。ブリスビーによる各投手への評価を順番に見て見よう。
1. クレイトン・カーショウ
(殿堂入りに必要な10年間の現役生活にまだ達していないが)もはや殿堂入りの域に達している。今季中に通算WARであのサンディ・コーファックスを超えるだろう。
2. スコット・カズミア
イニングイーター(投球回数を稼げる投手)だ。リスクの少ないタイプだと言えるだろう。
しかし、3番手以降は不安が大きい、としている。
3. ブレット・アンダーソン
昨季終了後にFAとなったが、クオリファイング・オファーを受け入れ残留した。故障が多く、FA市場に打って出ても他球団から色よいオファーは少ないと判断したのだろう。他球団からするとリスキーな投手だった。
そして、前田だ。
4. 前田健太
金銭面ではドジャースにとって最小限のリスクしかない。しかし、彼が活躍できるかどうかという観点ではそれなりにリスクはある。典型的な先発3番手クラスのマイク・リーク程度の投手に8000万ドルも投じる球団がいるこのオフのマーケットで、身体検査の結果「問題あり」とされた前田を最後まで追い求めたのはドジャース1球団しかなかったのだ。その結果、彼が手にした8年2500万ドルという契約は、金額だけとらえれば一昔も前のものだった。これが何を意味しているか、感じ取らねばならない。
You don’t need to understand zoology to know why a herd of impala might freak out scatter. Which is to say, there’s probably a lion in Maeda’s elbow.
インパラの群れが駆け出して散らばっていく理由を理解するのに生物学を学ぶまでもない。(訳者注:目に見える状態がその背後にあるものを物語っている、という意味だ)おそらく彼のヒジには危険なライオンが潜んでいるのだろう。