「青木の守備は子犬がゴムボールを追うが如し?」辛らつな米現地報道【豊浦彰太郎のMLB on the Web!】
MLBライター・豊浦彰太郎氏のコラムがスタート。このコラムでは、毎週木曜と日曜に現地メディアがMLBのホットな出来事や日本人選手の状況をどう伝えているかを紹介していきます! 第2回目は日本人選手に対する辛辣な現地メディアの評価についてです。
2014/11/02
Getty Images
青木の守備力を疑問視したアメリカのメディア
惜しくも世界一は逃すも29年ぶりのリーグ制覇を果たしたロイヤルズの青木宣親は、ワーリドシリーズ第3~5戦で先発での出番を失った。
その原因の一つは守備力の他の選手との差だった。
ESPNは青木の守備を「ゴムボールを追う子犬」と評した。辛らつな皮肉も現地メディアの報道の特徴だ。
第2戦終了後にはすでに現地のメディアでは「3-5戦では青木ではなくダイソンを使うべし」という主旨の記事が散見された。
その理由は、AT&Tパークは右中間が広く守備優先の布陣を敷くことが望まれるということだが、ESPNのデビッド・ショーンフィールド記者はこうも記している。
Norichika Aoki has played right field like a puppy chasing a rubber ball all postseason.
青木のライトでの守備ぶりは、このポストシーズンを通じ子犬がゴムボールを追いかけるようだった。
「子犬がゴムボールを追いかけるよう」とは辛らつだ。「ボールにもてあそばれている」というニュアンスが汲み取れる。ワールドシリーズ第2戦の4回にジャイアンツのブランドン・ベルトの打球を追いかけ後方に弾き飛ばしてしまった様子などがこれに当たるのだろうか。
ストレートな表現で一刀両断
一般的に、選手の評価に置いて日米の野球メディアを比べると、アメリカのほうがストレートな表現で一刀両断することが多い。
また、シニカルな表現も目に付く。
日本で同じ表現を用いると「炎上」あるいはファンから叩かれても仕方がないとも思うこともある。
今季オフにメッツからFAとなり、その去就が注目されている松坂大輔は、セイバー系シンクタンクBaseball Prospectusの2014年度版でこう評された。
If there’s one way to further aggravate a disgruntled fan base, it’s making them sit through Daisuke Matsuzaka.
不機嫌なファンをさらに不愉快にさせるには松坂大輔の試合に付き合わせることだ。
これは彼の投球間隔が長くタマ数の多い投球スタイルを揶揄しているのだ。
また、レッドソックス時代は高額年俸に見合った働きぶりとは言い難かったが、メッツとはマイナー契約だったため、
he’s no longer among the most overpaid players.
(もはや最ももらい過ぎの選手ではなくなった)と評している。
しかし、ちゃんとオチも用意していた。
On second thought…are stadium employees paid by hour?
(ちょっと待てよ……場内スタッフは時間給だっけ?)
サラリーはもはや割高ではなくなったが、タマ数の多さから来る試合時間の長さを時間給で働くスタッフの人件費に掛けて皮肉っているのだ。