【アメリカの眼】岩隈が故障しなければマリナーズに光。「サイ・ヤング賞候補者1人分層が厚くなった」先発陣
来季のマリナーズの先発陣は、良い構成になったと地元紙が評価している。何よりも一度はシアトルに別れを告げた岩隈久志が戻ってきたことにある。
2016/02/04
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岩隈の抜ける穴を補強したあとに、本人が戻ってきた
「故障者さえ出なければ、2016年のマリナーズ先発ローテーションは侮りがたい存在」と、地元紙『シアトル・ポスト・インテリジェンサー』のケニー・ダーリング記者は評している。
「ここ数年、シアトル在住の人々はシーホークスが数週間長くプレーするのを見守ることに慣れていた。しかし、3年連続でスーパーボウルに進出するのは極めて難しい。シーホークスの敗退を嘆き悲しむのはそろそろやめにして、今度は野球を熱く語る時期だ」
スプリングキャンプを目前に控えた期待感を、彼はこう述べている。
シーホークスはシアトルに本拠地を置くNFLの強豪チーム。MLBのマリナーズが長期にわたり低迷しているのとは対照的に、2013-14年シーズンと連続でスーパーボウルに進出した。15年シーズンではワイルドカードでプレーオフに出場するも、ディビショナルプレーオフで敗退した。
記事では、まずマリナーズの先発投手に関するオフの動きを総括している。
「マリナーズは、思ったよりも良い構成のローテーションでスプリングキャンプに入る。岩隈久志は一旦はドジャースとの契約書に合意し、マリナーズは過去数年ではもっとも優れた投手の内の1人に別れを告げねばならないと思われた。しかし、岩隈はとても珍しいことに、ドジャースの身体検査で好ましくない状況が発覚し、契約内容の変更を余儀なくされた。岩隈はこれを受け入れず、有利な条件のシアトルとの契約を選んだ。ジェリー・ディポートGMの良い動きだった」
当初、マリナーズは岩隈との再契約が期待薄と見ると、レッドソックスのウェイド・マイリー(4年連続190回以上)、レイズのネイサン・カーンズ(昨季、新人では両リーグ最多の147回)をトレードで獲得した。これで、岩隈離脱の穴が何とか埋まるかと多くのファンが胸をなで下ろしていると、その岩隈の復帰が決まったのだ。その状況をダーリングは情緒的に述べている。
All of the sudden, I can see a ray of light shining on the mound at Safeco Field. This rotation is one former Cy Young Award candidate deeper than expected.
突然、セーフコ・フィールドのマウンドに光がさすのが見えてきた。このローテーションは、サイ・ヤング賞候補者1人分層が厚くなったのだ。