【MLB】オリオールズ岡島、3度目の挑戦。華々しい実績と度重なる不運……逆境をチャンスへ
岡島秀樹のオリオールズ入りが米メディアで報じられた。しかしマイナーキャンプスタートとなり、ベテランにとっては厳しい船出となる。
2016/02/05
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レッドソックス契約切れでまさかの契約内容が発覚
順風満帆だった岡島のメジャー生活を、最初のアクシデントが襲ったのが09年オフ。レッドソックスとの契約が切れ、FAになると思い込んでいたのだが、思惑とは違い保有権が球団にあることが発覚した。
岡島は07年から2年総額250万ドルで入団。抜群の安定感で2年間で115試合登板というオプション(契約延長権)行使のための高いハードルもクリアし、3年目は年俸175万ドルで契約延長された。
3年間で198試合に投げ、12勝4敗6セーブ、防御率2.72。この期間では両リーグ最多の73ホールドで、メジャーでも屈指の左のリリーバーと言って良かった。
実績なく入団した分、この3年間の年俸は不当と言っていいほど抑えられていた。FAとなれば、安く見積もっても年俸500万ドル以上の複数年契約が相場とされ、3倍増以上が確実視されていた。
ところが、いわゆる米国人の新人選手と同じ扱いで、6年間は球団が保有権を保持しFAとなれるのは早くて12年シーズン後、という条件で入団していたことが、後になって分かった。
岡島は代理人との関係を解消し、新たにジョー・ローゼン氏と契約。当時ローゼン氏は「岡島は今季の契約終了後にFAになると信じていた」と地元メディアに理由を明かしている。結局3年目のオフに権利を手にする調停は避け、年俸275万ドルで契約を更改した。
この事例は「岡島問題」として、その後メジャー挑戦する日本人選手とその代理人サイドには重要な前例となった。それ以降、メジャー契約を結ぶ際には、当初の契約期間満了後にはFAとなる特約を盛り込むことが鉄則となった。