「日本を巻き込んだ国策は敗北」MLB移籍目指すグリエル兄弟の失踪は、キューバ界に大打撃
ドミニカ共和国でカリビアンシリーズの戦いを終えたグリエル兄弟は、メジャー球団との契約を実現するために宿泊先を抜け出したとAP通信らが報じた。
2016/02/09
誰も予想していなかった事態
「グリエル兄弟 メジャー球団との契約目指して亡命か」
キューバ代表のチーム、ティグレス・デ・シエゴ・デ・アビラは、出場していたカリビアンシリーズでメキシコのチームに敗れ、大会から姿を消した。そのチームの一員としてプレーしていたグリエル兄弟がメジャー球団との契約を実現するためにドミニカ共和国の宿泊先ホテルから抜け出したとAP通信をはじめ、各メディアが一斉に報じた。
AP通信では、31歳兄のユリエスキは2006年のワールド・ベースボール・クラシックに出場して以来、MLBスカウトが高い評価を送り続けており、22歳弟のルルデスも有望なプロスペクトであると紹介した。
キューバ野球の歴史家イスマエル・セネ氏によれば、グリエルの亡命は才能ある選手を自国におさめようと打ち出していたキューバにとって大きな痛手であり、スポーツ全体に影響を及ぼすという。
“Nobody was expecting this, there hasn’t been a departure that’s hit baseball as hard as this.”
「誰も予想していなかった。野球界にこれほどまで打撃を与えた逸脱は今までになかった」(セネ氏)
キューバのスポーツ関係者によると、ドミニカ共和国の警察にもグリエル兄弟の捜索依頼を求めたようだ。過去の例では、キューバ人選手はFA権利を得るためにまずドミニカ共和の国籍を取得して、メジャーリーグのアマチュアドラフトの対象にならないように策を取ってきた。今後グリエル兄弟がどういったプランで動くのかはわかっていない。