【MLB】禁止薬物使用疑惑のバリー・ボンズが現場に必要とされる理由
薬物使用に結びついていた元選手たちが次々と現場復帰を果たしている。MLBにとって彼らの存在がなぜ今必要なのか、経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』が特集記事を組んだ。
2016/02/22
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野球界に復帰できないソーサ
ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスはステロイド使用のため、1年間の出場停止処分を余儀なくされた。それでも2015年シーズン復帰した際にはヤンキースだけでなく、リーグ全体が彼の3000本安打を称えた。そしてポストシーズンには、FOX局に解説者として招かれ、仕事ぶりに高い評価を得た。
薬物とは違うが、野球賭博の罪で野球界から永久追放を受けているピート・ローズ氏に対して、マンフレッドコミッショナーは今でも誇るその高い人気を理解し、再検討する意向を公にした。これは、バリー・ボンズに対しても「真のホームランキングとは認めない」と言い放った前コミッショナーのバド・セリグに比べて緩和的な態度を見せている。
禁止薬物使用に結びついている元選手に対しては、球団内でも考え方は変わってきているようだ、とコスタ氏は例を挙げる。
2010年にはセントルイス・カージナルスが元スラッガーのマーク・マグワイアを打撃コーチとして迎え入れた。今シーズンはサンディエゴ・パドレスのベンチコーチを務める。さらにはステロイド使用を否定しているものの、名前が常に結びついているロジャー・クレメンスはヒューストン・アストロスのGM特別補佐を現在は務める。
禁止薬物を2度使用して出場停止処分を受けているマニー・ラミレスはシカゴ・カブスで打撃コンサルタントを務めている。まだ野球界に復帰できていないのは、薬物使用の事実を拒否し続けているサミー・ソーサぐらいだろうか。