李大浩、サンチェス、マートンらNPBを去った外国人野手、厳しいメジャー枠への挑戦
昨シーズンをもって日本プロ野球を去った外国人選手たちは今季どこでプレーするのだろうか。またどのような期待をされているのだろうか? 今回は野手編だ。
2016/02/29
サンチェスと李はマリナーズで競争相手に
前回のコラム「NPBを去った外国人投手の今季――バーネットや呉はプルペンの一角として期待も」では、昨シーズンに日本プロ野球で外国人選手として投げ、このオフにメジャーの球団と契約した投手たちを取り上げた。
今回はその「野手編」だ。投手と違ってメジャー契約を手にした野手はいないが、下の表のとおり、人数は投手を上回る。
マリナーズと契約したギャビー・サンチェス(前・東北楽天ゴールデンイーグルス)と李大浩(前・福岡ソフトバンクホークス)はともに右打ちのスラッガーで、一塁手という点も共通する。昨シーズンにサンチェスが打った本塁打は7本だが、2010~11年にはマーリンズで2年続けて19本塁打を放った。
2人はヘスス・モンテロとともに、対左腕用の一塁手の座を争う。開幕ロースターに残り、左打ちのアダム・リンドと併用されるのは、3人のうち1人だろう。
サンチェスと李は、マリナーズではなく、他球団でメジャー昇格をめざす可能性もある。タコマ・ニューズ・トリビューンのボブ・ダットンによれば、彼らは2人とも、メジャーの開幕ロースターに入れなかった場合、選手側から契約をオプト・アウト(破棄)できる権利を持っているという。
シアーホルツとハフマンも状況は厳しく
タイガースに入団したネイト・シアーホルツ(前・広島東洋カープ)とチャッド・ハフマン(前・千葉ロッテマリーンズ)は、主に外野両翼を守ることこそ同じだが、打の左右だけでなく、契約の内容も異なる。
また、シアーホルツはメジャーでレギュラーを務めた経験もあり、2013年はカブスで21本塁打を叩き込んだ。それに対し、ハフマンもパワーレスではなく、マイナーでシーズン20本塁打以上を2度記録しているが、メジャー出場は9試合に過ぎず、本塁打はゼロだ。
ハフマンはメジャーのスプリング・トレーニング(キャンプ)には参加しておらず、今シーズンのマイナー・スタートは間違いない。
シアーホルツにしても、ジャスティン・アップトン、J.D.マルティネス、キャメロン・メイビン、アンソニー・ゴースが揃う外野陣に割って入るのは難しそうだ。タイガースには、内外野をこなすマイク・アビーレスもいる。