【アメリカの眼】カノーが語る1番打者の影響力。青木と元ヤンキース名リードオフマンの共通点
今季からマリナーズに加入した青木。カノーは打率と出塁率を残せて、多くの球を投げさせられる点から青木を元ヤンキースのデーモンになぞらえて称賛している。良いリードオフの存在は打線全体に好影響を与えるという。
2016/03/09
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青木とデーモンの共通点
青木はP/PA3.75こそデーモンを下回るものの、通算打率.287、通算出塁率.353はデーモンとほぼ同じレベルだ。
また青木のメジャー4年間での平均盗塁数は20、これは同時期のデーモンの平均盗塁数22とほぼ同じ数字だ。俊足巧打と強打の一番打者、一見違ったタイプに見える青木とデーモンだが、カノーは「打率.280以上、高出塁率が残せ、相手投手に多く球数を投げさせられる。また勝負どころでは盗塁も決められる」といった観点からどちらも理想的なリードオフマンであると考えているようだ。
主に3番打者に座るカノーには1イニング目から確実に打席が回ってくる。
1番打者が長く打席にいてくれれば、それだけ彼が相手投手のボールを見られる機会も多くなるだけに、一番打者の打席はカノー、そして後続の打者にも大きく影響する。
“When you have a leadoff hitter who knows how to play the game, he can help the whole lineup. He can show them what the pitcher’s has, what he’s throwing.”
「もしチームにベースボールを心得たリードオフがいれば、その選手はチーム全体にとって大きな助けになる。そうした一番打者は、投手がどんな球種を持っているか、どんな球を投げてくるかをチームに見せてくれるからね」
マリナーズの新監督、スコット・サービス監督も青木の長所として相手投手に多くの球数を投げさせられる能力を上げ、「彼はタフアウト(アウトを取るのに苦労する打者)だね。彼の打席はファールが続く、投手からすると相手にしたくないタイプの打者だよ」と評する。
昨シーズンのマリナーズの1番打者全体の成績を見ると、球数の多さを表すP/PAこそ3.94と平均以上の数字を残しているものの、打率.247、出塁率.307と出塁能力に欠けているばかりか、三振率は20.3%と非常に脆かったことがわかる。
三振が非常に少なく、確実性,出塁能力共に高い青木の加入はマリナーズにとって大きなプラスとなるだろう。
一番打者の活躍は目に見える面、見えない面の両面でチームを大きく左右する。リードオフとしてチームを2度の世界一に導いたデーモンのように、青木もマリナーズの牽引者となれるか。
出典:Mariners notebook: Cano likens Aoki to Johnny Damon as a leadoff hitter by Bob Dutton in The News Tribune on Mar.6 2016