試合欠場を〝拒否〟して首位打者を獲得 侍ジャパンが対峙する小さな大打者
日米野球が12日から始まる。来日するメジャーリーガーで注目を浴びるのが、今季首位打者に輝いたホセ・アルトゥーベ選手だ。
2014/11/11
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ベンチに座っていた首位打者なんて恥
8年ぶりに復活する日米野球が12日から全国で5試合行われる。大会終了後の20日には沖縄で親善試合も予定。屈強な猛者そろいのMLBオールスターの中で、一際異彩を放つのがアストロズのホセ・アルトゥーベ内野手だ。
身長は公称167センチ。実際には165センチより低い、とも言われる。小柄ゆえの俊敏さを生かした守備、走塁だけでなく、最大の魅力は打撃。その小さな体でバットを長く持ち、右打席から勢いよく踏み込んでフルスイングする。
今季は打率.341をマークし、大リーグ史上最も身長の低い首位打者が誕生した。
ベネズエラ出身の24歳は、今季最終戦で男を上げた。9月28日、敵地でのメッツ戦。打率.340でリーグトップのアルトゥーベに対し、2位のV・マルティネス(タイガース)が.337と2厘差に迫っていた。仮に4打数無安打に終わっていたら、打率.338と2厘下げてしまう。球団創設以来、首位打者を輩出したことのなかったアストロズ首脳は、アルトゥーベに欠場を強く迫った。
そこから出場を希望したアルトゥーベとの押し問答が続いたという。
当初は先発を外れていたが最後は球団が折れ、いつも通り「2番・二塁」で出場。見事に2安打を放ち、打率を.341へとさらに上げた。3打数無安打に終わったV・マルティネスを振り切って、首位打者の栄冠をモノにした。
「ベンチに座っていた首位打者なんて恥だ」と語る姿は、多くの関係者から称賛を集めた。