【アメリカ記者の眼】ユーモアを持って役割を受け入れた上原浩治。賢者の存在にレッドソックスは感謝すべき
今季、クローザーから競ったセットアッパーへ配置転換が予定されている上原。本人はチームのために前向きな姿勢を示した。
2016/03/19
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不満を示すだけでは得られるものはない
上原は賢い選手だ。他の選手同様、2013年へレッドソックスへ移籍してきた時のことを覚えている。彼はその年、結果的にジョエル・ハンラハンやアンドリュー・ベイリーからクローザーの座を奪い、ワールドシリーズ最終戦では、試合を決める瞬間までマウンドに立つことになった。
あれから3年が経ち、そんな上原も40歳を迎えた。
昨シーズンは右手首の骨折でシーズンを離脱、そしてそのオフにレッドソックスは、新たに球界一のクローザーを獲得した。それだけなのだ。
今シーズンもチームに何が起こるか、特にブルペン陣は(今後の調子や結果によって)どうなっていくのか、まだわからない。
球団幹部と同様、上原はそのことを十分理解できているだけなのだ。
新たな役割に不満を示すばかりでは、そこから得られるものもない。
前向きな態度だからこそ、彼は「失うものはない」という深い理解にたどり着くことができるのだ。
レッドソックスは投手であり、そして、まるで賢者のような上原がロースターに控えていることを感謝すべきだろう。