【アメリカの眼】開幕投手有力のヤンキース田中が乱調も「今季初登板がいつになるかより、何試合先発できるかが重要」
自身3度目となるオープン戦に登板も、2回4安打2失点、50球と苦戦を見せた田中将大。しかし、シーズンでの真の課題は自身初となる200イニング越えだ。
2016/03/19
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制球の乱れが原因
現地17日、田中将大が今季3試合目となるオープン戦に登板。ここまで好投を見せていた田中だったが、この日は2回を投げ4安打2失点。2イニングで50球を要するなど制球が定まらなかった。地元紙『NEW YORK POST』は「乱調の田中は開幕戦より大きな問題を抱えている」と題して、この日の田中のピッチングを報じている。
“Overall, [I’m] a bit frustrated with how everything turned out,’’ Tanaka said. “I think the worst part was I just couldn’t get strike one, strike two and kept getting myself in bad counts.”
「全部ですね、今日の登板は全体的にフラストレーションがたまる内容でした」と田中は語る。「一番悪かったのはストライクを先行させられず、常に不利なカウントにしてしまっていたことだと思います」
田中が登板後振り返ったように、この日の登板は順調な仕上がりを見せた過去2回とは対照的な内容だった。
初回、パイレーツの二番打者アンドリュー・マカッチェンに外角の速球を左中間スタンドまで運ばれ、今春初となる失点。2回には、先頭のマイケル・モース、続くジョディー・マーサに連打を浴び、無死1、2塁。8、9番打者こそ打ち取ったものの、1番ジョン・ジェイソにライト前へタイムリーヒットを浴びこの日2失点目を喫した。2回4安打2失点という内容以上に、目立ったのが制球の乱れ。無四球(死球1)ながら、2イニングで50球を要した。
この日マスクを被ったブライアン・マッキャンは田中の出来について「少し不安定だったね。いいボールは投げていたけど、やっぱり速球のコマンドが全てだ」とコメント。速球を狙い通りの場所に投げられなかったことが、苦戦の理由だとした。田中本人は制球が乱れた原因について、「ボールが手を離れるタイミングがよくなかった」として、投球フォームをあげている。
オープン戦初登板となった6日のフィリーズ戦では2回無失点、前回11日のオリオールズ戦では3回3奪三振無失点とここまで好投を続けていた田中、3試合目は苦い登板となったものの、ジョー・ジラルディ監督は、現段階での調子は気にしていないという。
“He knows how to get ready … the right way,’’ Girardi said. “He’s not a young kid that needs to come and air it out and try to impress me. We want him ready for the beginning of the season, not today.”
「田中は正しい調整の仕方を知っているよ。彼は、スプリングトレーニングで結果を残し、我々にアピールしないといけない立場にある若手選手とは違うんだ。我々が田中に臨んでいるのは、シーズンの開幕に合わせること、今日じゃなくてね」