【アメリカ人記者の眼】盤石だったはずが……体の張りを訴えた上原ら突然レ軍ブルペン陣に訪れた試練
昨シーズンオフの補強によって強力ブルペン陣を形成すると見られていたレッドソックスだが故障者が続出している。
2016/03/27
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上原は週明けに今季3度目の登板予定だが……
ボストン・レッドソックスのブルペンが、危機に陥っている。リリーフ陣の戦力が問題なのではなく、故障者が後を絶たないのだ。
まず新加入のカーソン・スミスがここに来て故障。23日にヤンキースとのオープン戦に登板すると、腕を押さえ、肘をさすりながらダグアウトに戻ってきた。MRIの結果、トミー・ジョン手術の必要はなかったが、肉離れを起こしており、長引けば2カ月のDL(故障者リスト)入りと発表された。
そして上原浩治だ。40歳の上原は24日にいわゆる“体の張りやだるさ”を理由に一旦休養へ。しかし週末にトレーニングを再開し、週明けには今シーズン3度目となるオープン戦に登板する予定だ。
上原に関しては、昨年8月に右手首の骨折し、そのリハビリでの過酷なトレーニングの疲れが、40歳の体を襲っただけではないかと予想される。おそらく心配するほどのものではなく、復帰も早いだろう。
だがこれは希望的観測にすぎない。
長年の取材経験から、キャンプイン当初のケガは大抵は想定の範囲内だが、スプリングトレーニングの終盤に投手が不調を訴えるのは、あまり良い兆候ではないと受け止めてしまう。
週明けに私の悲観的な見通しが間違っていたと、上原自身の投球で証明してもらいたい。きっと28日の登板では体調も完治し、スプリットで打者を翻弄し、再びファンに2013年の興奮を思い出させてくれるはずだ。
今はただ経過を見守るしかない。ジョン・ファレル監督の見立てでは、上原が故障者リスト入りする可能性は「今の所は、ない」となっている。
だが仮に上原が今後完全に復調し、調整の時間も充分に取れ、余裕を持ってシーズンの開幕を迎えられたとしても、リリーフ陣全体を見れば非常に危うい状況になってしまった。