通算打率.310割れ寸前。3000本安打を目指すイチローに迫る“タイムリミット” 【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はイチローの生涯打率についてだ。
2016/04/12
ここ数年は打率が悪化
マイアミ・マーリンズのイチローは、今年も4番目の外野手として開幕を迎えた。
今年は日本人選手初のMLB3000本安打という大記録が目標になっている。また長いMLBの歴史で29人しか達成していない。
すでに野球殿堂入り当確とさえ言われるイチローだが、なんとしても到達したい数字だろう。
しかし、近年のイチローの打撃成績は低下している。かつてイチローの代名詞と言われた「3割200安打」は、2010年を最後にマークしていない。
このために、イチローのMLBでの通算打率も下落し続けている。
2001年、新人最多の242安打を放つと.350で首位打者に輝き、さらに盗塁王とMVPも獲得し、衝撃的なデビューを飾った。2004年にはMLB記録になるシーズン通算262安打を達成し、キャリアハイの.372で2度目の首位打者に。
08年にはMLBの通算打率の基準となっている5000打数に到達。この時点での打率.331は、20位に相当した。1965年以降では、トニー・グゥインの.338に次ぐ2位だった。
しかし2011年以降は打率が急落。2009年には通算打率が.333あったものが、現在では.313と2分も落ちている。