【MLB】注目は高い出塁率。1番・青木宣親がマリナーズ打線の弱点を補う理由
1番打者の出塁率が低く、なかなか選手を固定できなかったのがここ数年のマリナーズだった。青木の加入は大きな意味をもつ。
2016/04/12
1番打者の出塁と固定が課題だったマリナーズ
開幕3戦目の4月6日、青木宣親が早くもスターティング・ラインナップから外れた。ただ、これは前日に自打球のファウルが当たった右足の脛を考慮してのことだ。1点を追う9回表、青木は先頭打者に代わって打席に入ると、ヒットを放っただけでなく、そのまま走者として残り、同点のホームも踏んだ。そして、試合のなかった7日を挟み、8日の4戦目からはスタメンに戻った。
マリナーズにとって、青木の負傷が大事に至らなかったのは幸いだった。もちろん、投手を含めた他のレギュラーであっても、欠ければ痛手であることに変わりはないが、青木の存在は打線において大きな意味を持つ。
2011年以降、1番打者(リードオフ・ヒッター)はマリナーズの弱点の一つとなっていた。昨シーズンまで、1番打者の出塁率は5年続けて.315に届かず、どの年も30チーム中24位以下。この5年間のトータルで、1番打者の出塁率が.300に満たなかったチームは、マリナーズ(.296)だけだ。トップのカージナルス(.346)とは5分もの開きがあった。
特に、過去3年のマリナーズは1番打者を固定できず、いずれの年も、最も多く起用された選手ですら70試合未満だった。昨シーズンに至っては、54試合のケテル・マーティを筆頭に、10人が1番打者を務めた。1番打者の出塁率.307は、マリナーズの打順では7~9番に次いで低かった。
一方、2012年にメジャーデビューした青木は、過去4年間に通算出塁率.353を記録している。毎年安定しているのも青木の特徴で、キャリアワーストの2014年でも.349だった。これこそが、マリナーズが青木と契約した最大の理由だ。