【MLB】無失点記録継続中。ドジャース前田が2度の登板で試した、メジャー成功に不可欠な3つの武器
ドジャース、前田健太はデビュー戦から2試合続けて無失点。結果を出し続けることで指揮官の信頼もより厚いものになってきている。
2016/04/14
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デビュー戦から12回連続無失点は日本人投手最長
ドジャース・前田健太が期待以上と言っていい船出を飾った。メジャーデビュー戦の6日パドレス戦に続き、本拠地開幕となった12日ダイヤモンドバックス戦でも6回無失点。2試合でデビューから計12回連続無失点は、ドジャースの先輩・石井一久の11回2/3を上回る日本人投手最長記録となった。
「本拠地開幕のマウンドに立つ事ができて興奮しましたし、いい緊張感の中で投げる事ができました!今日投げられた事をすごく光栄に思います」
自身のブログで2度の登板を振り返る筆も、心なしか弾んで見えた。
前田はメジャーで成功する上で、大事な3つの要素を2度の登板で示した。
まず第1に「スライダー」だ。広島時代から投球の生命線で、決め球の一つでもあった。パドレス戦では随所に鋭いスライダーが見られた。
2回先頭のマイヤーズは、曲がりの大きいスライダーで空振りを奪った後に、曲がりの小さいスライダーで見逃し三振に仕留めた。
次打者にセーフティーバントされ、自らの悪送球で1死二塁のピンチを招いたが、続くノリスもスライダーで三ゴロに打ち取り、しのいだ。
3回も先頭のブラッシュを空振り三振、2死後のジェイを三ゴロと、ともにスライダーが勝負球だった。この試合、84球中、変化球では最も多い24球がスライダー。乾燥した西海岸の気候下、メジャー公式球において、その切れ味を自ら確認するかのようだった。
第2の要素は「チェンジアップ」だった。スプリットを多様しない前田にとって、三振を奪う縦の変化球として、なくてはならない存在だ。
ダイヤモンドバックス戦では、今度はチェンジアップを多投した。1回1死一塁から3番ゴールドシュミット、4番ペラルタと、強打者を続けてチェンジアップで料理。
パドレス戦で9球だったチェンジアップは、16球と倍近くに増えた。2回には甘く入ったところをラムに二塁打とされたが、圧巻だったのは6回。1死からペラルタのタイミングを完全に外し、外角低めへ逃げる軌道で豪快な空振り三振を奪った。