【ド軍アメリカ番記者の眼】前田はマウンドで機転が利く投手。ドジャースが長期契約に踏み切った最大の理由
ロサンゼルス・ドジャースの前田健太は開幕から最高のスタートを切った。その理由はどこにあるのか。
2016/04/22
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前田は打者の情報をうまく消化し、投球に完璧に活かしている
では、前田の秘密は何なのか。いたって簡単だ。打者が、前田の投球を読めないことにある。
前田はここまでの登板で、フォーシーム、ツーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブを投げてきた。右打者にはチェンジアップは使わない。もし使っていれば、打者は全てのカウントで前田の持ち球の全てを予測しなければならなくなる。
対戦経験のない打者をどうやって抑えてきたのかという質問に対して前田は、「ビデオとスカウティング・レポートで研究しています」とだけ答えた。ド軍リック・ハニーカット投手コーチによると、前田の事前準備はドジャースの他の投手に比べて、それ以上でもそれ以下でもないという。
「どの選手にも同じ情報を与えている。違いは、彼らがそれをどう使うか、どう考えるかだけ。ケンタはすでに経験豊富な投手だ。情報をうまく消化し、自分の投球に完璧に活かしている」
一方対戦相手は、他の投手に比べれば、前田に関する十分な情報がまだ揃えられていない。
前田の投球が録画されているビデオは存在するが、スプリングトレーニングから数えてメジャーでの投球は42イニング。打者に不利な時期ではある。従って、時間さえ経てば、前田の情報が揃い、打者も十分研究できるようになる。だが、ドジャースのヤズマニ・グランダル捕手は、次のようにコメントする。
「メジャーリーグで数カ月も投げれば、もちろん対戦相手も前田に慣れてくる。だが、同じように、自分たちも対戦相手に慣れてくるのだから、後は自分たちが彼をバックアップするだけだ」