【レ軍番米国人記者の眼】先発陣復調で、次の課題はファレル監督の田澤・上原の起用法
レッドソックスのブルペン陣を支える上原浩治と田澤純一にとって、4月は辛い時期になった。先発陣の状態がなかなか上がらず、ハイペースに登板を重ねた。しかし、ここに来てようやく改善されつつある。
2016/04/29
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4月は酷使された日本人二人
ボストン(マサチューセッツ州)――今年のニューイングランドは、春の訪れが遅い。例年よりも気温は低く、木々が芽吹くのも遅い。肌寒い4月は、ニューイングランドのアウトドア派には厳しい季節となった。ホームチーム、ボストン・レッドソックスもまるで、そんな季節の進みを追っているかのようだ。
レッドソックスはこれまで、リリーバーの上原浩治と田澤純一を酷使し、2人に過度の負担をかけている。
チームは今シーズン3週を終えて、9勝9敗。至って普通な結果を残し、例年のような勢いはない。レ軍が誇る強力打撃陣が、対戦相手の平均的な投手陣を打ち負かせば勝利し、レ軍の不安定ゆえ機能しない投手陣が、対戦相手の平均的な打撃陣にやられると、試合に負けるというパターンが続いている。
また、先発ローテーションが長いイニングを乗り切れないため、序盤から中継ぎ陣にはストレスがかかり、その結果、田澤と上原が、頻繁にマウンドにあがるパターンも続いていた。その影響で上原の腕が一度悲鳴をあげた。
4月8日から18日までの11日間、41歳の上原は投げっぱなしだった。この間7試合に登板し、そのうち2度は2試合連続での登板で、1日以上の休養日はない。
結果、上原は4月18日のトロント・ブルージェイズ戦で、連続無失点記録がストップ。しかも、この日のピッチングは、1/3回を1安打4失点2四球、死球まで与える炎上でセーブ失敗。この日の敗戦投手になってしまった。
この後、上原には5日間の休養が与えられた。
一方田澤は、開幕3試合に連続登板。その後、数日間の休養があったものの、酷使は続いた。4月11日から20日の10試合で、田澤は6試合に登板し、上原同様、この期間に1日以上の休養日はなかった。その上、18日から20日までは3試合連続で登板している。
それでも、まだ若い田澤の腕と彼の実力により、この期間、4回2/3を1安打無失点。対戦打者の打率を.067に抑えるなど、非常に素晴らしい投球を見せてくれている。この6戦を終えて、チームは田澤に丸3日の休養を与え、田澤は24日に再び登板。28日のアトランタ・ブレーブス戦を前に、現在再び休養の3日目に入っている。