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【MLB】マリナーズ岩隈、初勝利が遅れた理由は「制球力」の悪化。ストライク率落ちて球数増加に

シアトル・マリナーズの岩隈久志は現地5月3日のオークランド・アスレチックス戦で7回自責点1の好投を見せて今季初勝利を果たした(1勝3敗)。

2016/05/05

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制球の悪化で球数は増加

 昨年8月12日、日本人MLB投手として野茂英雄以来2人目、3例目のノーヒットノーランを達成した岩隈。今季はフェリックス・ヘルナンデスとともにマリナーズの先発投手の柱として期待されていたが、遅すぎる初勝利となった。

 今年の岩隈は何が悪かったのか?
 端的に言えば制球力だ。

 MLBでの岩隈のストライク率(S%)を並べてみる。

2012年 65.3%(1916球 1251ストライク)
2013年 67.6%(3102球 2098ストライク)
2014年 68.9%(2542球 1751ストライク)
2015年 68.4%(1868球 1278ストライク)
2016年 65.8%(559球 368ストライク)

 先発投手のS%は、65%を超えれば一流とされる。
 ここ3年、岩隈はトップクラスの制球力だった。今季の65.8%も低いわけではないが、制球力が身上の岩隈にとってはわずか3ポイントほどの制球の悪化が投球に悪影響をもたらした。

 持ち球は、右打者の内角に鋭くえぐれるツーシーム、ボールの出所がわかりにくいフォーシーム、横変化のスライダー、そして急速に落ちるスプリットだ。いずれも130~145km/hとMLBの中ではスピードはないほうだが、すべての球でストライクが取れるのが最大の長所だった。

 制球が悪化したために、岩隈は1回当たりの投球数が増えた。

2012年 15.3球
2013年 14.1球
2014年 14.2球
2015年 14.4球
2016年 18.0球

 昨年アリーグでは、規定投球回数に達した57投手のうち、1回当たりの投球数が15球以下だったのは11人だけ。岩隈はリーグ7位だった。

 MLBで長いイニングを投げるためには、少ない球数が絶対条件となる。制球力が悪化したことで、その前提が崩れたのだ。

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