【MLB】ドジャース前田、リーグ6位のボールスイング率。優れた球種と制球力が好投を支える要因
好投を続けているドジャースの前田。数字からも安定感が証明されている。
2016/05/09
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日本人投手、デビューから先発6試合で防御率はベスト
まだシーズン全体の5分の1とはいえ、優れた球種をいくつも持ち、制球が良いことからすれば、今後も大失速する可能性は低そうだ。
あえて不安材料を挙げるとすれば、疲労や故障だろう。前田は広島東洋カープでシーズン200イニング以上を4度記録しているものの、登板間隔の違いやメジャー1年目ということを考えると、安心はできない。ドジャースがポストシーズンに進んで勝ち進めば、広島時代のキャリアハイである216.0イニングを超える可能性もある。
もう一つ、注目したいのが同地区チームとの対戦だ。
最初の4登板の相手、パドレス、ダイヤモンドバックス、ジャイアンツ、ロッキーズは同地区。今後も対戦が続く。昨シーズンのカーショウは33先発中15試合で同地区チームと対戦し、ロッキーズ戦とジャイアンツ戦は5度ずつあった。対戦を重ね、投球に対応してくるであろう相手に前田がどう投げていくかは、キーポイントの一つになる。
前田がデビューから6先発で記録した防御率は、ダルビッシュ有(2.54/2012年)と田中将大(2.53/2014年)のみならず、吉井理人(2.43/1998年)も凌ぐ日本人投手のベストだ。1点台を保つのは難しいにしても、1995年の野茂英雄に続くシーズン2点台は期待が持てる(田中はデビューからの史上最長に並ぶ16試合連続クオリティ・スタートを記録して防御率2点台ながら、故障のため規定投球回に届かなかった)。
そうなれば、現時点ではトレバー・ストーリー(ロッキーズ)がいるので受賞とまでは言えないが、新人王投票でもかなりの票を集めるはずだ。その折り返し地点でオールスター選出という栄誉を得ても、何ら不思議はない。