大谷翔平、元通訳・水原一平氏の違法賭博騒動から見える“危うさ”とは? MLBが取る対策は…【第2回】
2024/04/01
Getty Images
MLBが今後取るべき対策は?
スター選手のサポートをチームがどこまで許容しうるかは、機構がまずガイドラインを示すべきだ。それに基づいて、各チームはその範囲を逸脱しない範囲で対応することが重要だ。今はその境界がグレーではっきりしない。
そのガイドラインでは、選手の不利益になるようなことへの行動制限は言うまでもないが、選手のプライバシーやプライベートに関わることへの関与が焦点である。仕事とプライベートをしっかりと切り離せる選手はそういない。とりわけ外国人になる「日本人」には相談できる人材、手足となって動ける人材は必要だ。そのカテゴライズを遵守させられるかが問われる。
今回の事件はプライベートに関わることだろうが、そこに球団職員でもあった者が関わっていたことをチームとしても、きちんと認識してもらいたい。解雇したから、我関せずでは済まされない。リスク対策として、こうした問題が生じた時にどうするか、また問題が生じないようにどうすべきなのか、この辺は全く後手にまわっていて、極論すれば全く考えていなかったに等しい。
しっかりとしたガイドラインの提示とその遵守、また監視体制の強化が必要だろう。また、スター選手を取り巻く「誘惑」にはろくなものがないので、そのへんをどう除去していけるか、むしろその対応をする人材をスペシャリストで置くほうがよっぽど、良いと思う。コンプライアンスとガバナンス面からも、また健全なチーム作りにも社会的な信用度が向上するのではないか。
【関連記事】
【最新情報】違法賭博騒動 最新ニュースはこちら
ドジャース、高額年俸ランキングトップ10
【打者部門】大谷翔平は何位? MLBナリーグ打撃成績ランキング
プロフィール
古本 尚樹(ふるもと なおき)
学歴
・北海道大学教育学部教育学科教育計画専攻卒業
・北海道大学大学院教育学研究科教育福祉専攻修士課程修了
・北海道大学大学院医学研究科社会医学専攻地域家庭医療学講座プライマリ・ケア医学分野(医療システム学)博士課程修了(博士【医学】)
・東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退
職歴
・浜松医科大学医学部医学科地域医療学講座特任助教(2008~2010)
・東京大学医学部附属病院救急部特任研究員(2012~2013)
・公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター研究部 主任研究員(2013~2016)
・熊本大学大学院自然科学研究科附属減災型社会システム
実践研究教育センター特任准教授(2016~2017)
・公益財団法人 地震予知総合研究振興会東濃地震科学研究所主任研究員(2018~2020)
・(現職)株式会社日本防災研究センター(2023~)
専門分野:スポーツ選手やチームの危機管理・コンプライアンス・ガバナンス、防災、BCP(業務継続計画)、被災者、避難行動、災害医療、
※キーワード:防災や災害対応、被災者の健康、災害医療、地域医療
(株)日本防災研究センター
(医学博士、阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターリサーチフェロー)
古本 尚樹
個人ホームページ https://naokino.jimdofree.com/
【了】