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“史上最高年俸選手”獲得で変化? ドジャースが結ぶ長期大型契約の背景とは…【MLB】

2024/04/21

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“天才”フリードマン編成本部長の手腕

 さて、大谷翔平獲得前のドジャースは徹底して大型契約を回避してきた。現在の編成トップであるアンドリュー・フリードマン氏が就任した2014年以降での1億ドル以上の大型契約はクレイトン・カーショーの8年2億4300万ドル、ムーキー・ベッツの12年3億6500万ドル、フレディー・フリーマンの6年1億6200万ドルと3つのみであった。
 
 この頃のドジャースはカネでスター選手をそろえるよりもジャスティン・ターナーやマックス・マンシーなどに代表されるいわゆる「掘り出し物」の発掘、ジョック・ピーダーソンやコーリー・シーガーなどの若手のブレイク、さらには積極的なトレードなどで選手層を厚くすることでの戦力強化を行ってきた。
 
 これはやはり資金が豊富とはいえないタンパベイ・レイズをプレーオフ球団に変えた経歴を持つフリードマン氏の手腕と言える。
 

 
 しかし、大谷翔平の獲得後はスターパワーを求めるようになった。これにはやはり選手層の厚さで戦うことの限界を感じたというのがあるだろう。ドジャースは名門球団として毎年ワールドシリーズ制覇が目標となるが、2020年の世界一を最後にワールドシリーズへ進めていない。
 
 近年のプレーオフで勝ち進んだチームはほとんどがスター選手を抱えている。2022年にフィリーズはNLCS第4戦でブライス・ハーパーが逆転ホームランを打ったことでワールドシリーズ進出を決めた。
 
 記憶に新しい2023年ワールドシリーズ第1戦ではコーリー・シーガーが同点に追いつくホームランを放った。ドジャースがプレーオフを勝ち進むためには一振りで試合を決められる打者やピンチで相手を制圧する投手が必要だと判断したのだろう。
 

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