【MLB】田中将大、勝ち星つかずも米球界トップの安定感。数字が示す先発投手としての能力
今季なかなか勝ち星に恵まれていない田中将大。大型契約でヤンキースへ入団した経緯もあり、世間の評価は厳しいが、それでも数字上では先発としての能力の高さを示している。
2016/05/15
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先発として改めて能力の高さがわかるwhip
日本の野球ファンに浸透し始めている記録の一つに「whip」がある。Walks plus Hits per Inning Pitchedの略。被安打と与四球を足した数字を投球回で割って求める。
投手の能力をはかる指標として優れていることは広く知られている。セイバーメトリクスの本場・米国では正式な記録として採用されている。1イニングあたり何人の走者を許すかを数値化したもので、投手の安定感を示す。失点や自責点、防御率などは、イニングの途中で走者を残して降板した後に、救援投手が生還を許した場合など、投手本人の能力以外の要素が加わってしまう。
もちろんwhipとて全能ではない。長打を打たれやすい投手はその要素が加味されない。死球もそう。欠点はなくはないが、長期の統計では優れた投手をあぶり出すのに最も手っ取り早く親しみやすい数字だろう。
13日からヤンキースタジアムで始まったヤンキース-ホワイトソックスの3連戦では、そのwhipでリーグトップの左右両腕が先発する。13日の第1戦で勝利投手となったホワイトソックスの左腕クリス・セールと、15日の第3戦に先発予定の田中将大だ。
田中がメジャー移籍した14年から3シーズンのトータルで比較すると、左腕のwhipトップがセールで1.002。右腕の同トップが田中の1.010となる。
これは3シーズンで計200イニング以上投げた先発投手に限定した上での比較だ。
ちなみにランキングでは以下の通りとなる。
①クリス・セール(ホワイトソックス)1.002
②田中 将大(ヤンキース)1.010
③カルロス・カラスコ(インディアンス)1.030
④フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)1.051
⑤コリー・クルバー(インディアンス)1.075
⑥岩隈 久志(マリナーズ)1.095
⑦デビッド・プライス(レッドソックス)1.101