大谷翔平と松井秀喜の大きな違いとは…? 日本人スラッガー2人の打撃を徹底比較!【MLB】
2024/04/30
Getty Images
次に、両バッターが放った本塁打の詳細を見ていこう。
大谷選手は右投手からの割合が高い一方、Late&Close(※1)の本塁打数は松井氏の方が多い。走者の状況での比較でみると大差はない。
(※1)7回以降で1点リードか同点、もしくは連続本塁打が出れば同点になる状況
【左右別】
・松井:右119、左56 ・大谷:右131、左45
【得点圏】
・松井46 ・大谷45
【走者なし】
・松井93 ・大谷95
【Late&Close】
・松井31 ・大谷20
MLB分析サイト『Baseball Savant』から引用した以下の図を比較してわかるとおり、両選手の本塁打で違いが一目瞭然なのは打球方向だ。
(※2)松井氏の2003~2004年の本塁打は図に反映されていないとみられる。
MLB分析サイト『Baseball reference』のデータをもとに、両選手の3方向別の本塁打数を比較すると以下になる。
松井:ライト111(63.4%)、センター59(33.7%)、レフト5(2.9%)
大谷:ライト50(28.4%)、センター110(62.5%)、レフト16(9.1%)
しかし、松井氏がレフト方向の長打を打てなかったわけではない。二塁打になるとセンター方向やレフト方向の割合が増え、大谷選手と打球方向が変わらなくなっている。
松井:ライト84(33.7%)、センター101(40.6%)、レフト64(25.7%)
大谷:ライト48(34.3%)、センター57(40.7%)、レフト35(25.0%)
ほぼ同数の本塁打を打った時点で、二塁打の数は松井氏の方がずっと多くなっている。在籍期間の違いだけではない。松井氏は4.84試合に1本の二塁打を打っているが、この数字は大谷選手(5.18試合に1本)よりも小さい。
松井氏がセンター~レフト方向への二塁打としていたような打球の多くを大谷選手は本塁打にしていたことになる。ここが本塁打のペースの差として考えられる。