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大谷翔平と松井秀喜の大きな違いとは…? 日本人スラッガー2人の打撃を徹底比較!【MLB】

2024/04/30

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 ここで、両選手がプレーした時期でMLBの野球の質自体が変化している点に留意せねばならない。松井氏の在籍時に比べ、大谷選手の在籍時は、MLBでのフォーシームの平均球速は約2マイル(約3キロ)上昇、スライダーの平均球速も上昇した。一方、平均打率は最大で2分台の低下を示した。
MLBの平均球速の変化
 
 こうした中、平均長打率は、打率の低下傾向に反し2014~2019年に大きく上昇している。この推移は、フライねらいの打撃が増加した「フライボール革命」や、投手の対抗策としての回転数の多い高めフォーシームの増加を反映している。
 
MLBの平均打率、長打率の変化

 
 松井氏の時代にはバットの芯を外すツーシームが流行し、オークランド・アスレチックスを題材にした映画『マネーボール』のように出塁率の重視傾向が高まっていた。
 
 データ解析ツール『スタットキャスト』の導入をはじめとするデータ分析の深化や科学的トレーニングは、大谷選手の時代に大きく進歩したものだ。ピッチクロックの導入、守備シフトの拡大やこれに対する規制など、大谷選手の時代での変化は他にも数多い。
 
 同じ170本台の本塁打でも、背後のプレー環境はそれぞれの時代の中で変化している。こうした中、大谷選手はより厳しい球に立ち向かう一方で、対応するトレーニング環境や分析技術も進化している。
 
 両選手のMLB在籍時期が入れ替わっていたら、それぞれの打撃成績はどのように変わったのか、別の意味で興味深い。
 
 私自身、松井氏の引退直後は、同選手の本塁打記録を抜く日本人は当分現れないと思っていた。しかし大谷選手はこの私の見方をあっさり覆した。
 
 一方、松井氏も日本人初のスラッガーとして移籍し、重圧の中数々のハードルをクリアし成果を出した。両選手に共通するのは、経験したMLBの野球環境の変化に対応し、歴史に残る素晴らしい成果を挙げた点だ。
 
 そして、大谷選手はこれからも新たな歴史を作っていく。打者としてだけでなく、来年以降は、再び投手としても。

 
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【了】

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