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ドジャースの”不安要素”になる…?先発投手陣の「真の評価」は?【MLB】

2024/05/12

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指標に基づくドジャース先発陣の投球内容

 
 今季のドジャース先発ローテーションはタイラー・グラスノー/山本由伸/ボビー・ミラー/ギャビン・ストーン/ジェームス・パクストンでスタート。また球団として追加の休みを与えたいという意向から、時々ブルペンデーを挟んでいる。これもあってかミラーが故障してしまったものの、概ね良い投球を続けている。
 
 ドジャースの先発陣の調子を見ていく上で、3つの指標を紹介したい。1つ目が『Stuff+』だ。これは球速、変化量、リリースポイントなどの球種の物理的特徴から球質を測る指標だ。『Location+』は投手が正しい場所にボールを投げる能力を測る。『Pitching+』は球質、配球、ボールの場所などすべてを総合した指標だ。3つとも100が平均で高ければ良いし、低ければ悪い。また『Stuff+』と『Location+/Pitching+』は散らばりが若干異なり『Stuff+』の方が平均の100から離れやすい。

 

 

タイラー・グラスノー

タイラー・グラスノー『Stuff+』

 オフにトレードで加入し、5年の契約延長を結んだタイラー・グラスノーはここまで期待に応える活躍をしている。特に4月21日のニューヨーク・メッツ戦では8回10奪三振の好投で、連敗の続くチームの流れをひっくり返した。
 
 また、4月9日のミネソタ・ツインズ戦では7回88球14奪三振と、メジャー史上初の90球以下14奪三振以上を達成した。唯一崩れたのが4月15日のワシントン・ナショナルズ戦で5回6失点だったが、この日は体調が悪かったようで、この試合を除外すれば防御率は0.95とほとんど点を取られていない。
 
 投球の面ではエリート級の球を持ちながら平均以上のレベルで正しい場所に投げることができている。ここまで最も有効となっているのがフォーシームで、カットボール気味になるグラスノーのフォーシームは左打者相手に効果を発揮し、昨季1.30を記録していた対左WHIPは1.02まで改善している。
 
 グラスノーで気になるのが耐久性だがここまで怪我・不調はなくいいシーズンを送っている。このペースが維持できれば自身キャリアハイの120イニングを超えるのも時間の問題だろう。プレーオフを前にイニング制限をかけるのか、それともローテを回し続けるのかは不明だが、怪我せず頑張ってほしい。

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