ドジャースの”不安要素”になる…?先発投手陣の「真の評価」は?【MLB】
2024/05/12
Getty Images
ボビー・ミラー(故障者リスト入り)
デビュー2年目の飛躍を目指すボビー・ミラーだが、肩の炎症で故障者リスト(IL)入りしてしまった。デーブ・ロバーツ監督によれば怪我は軽傷であり、肩の構造上の故障はないとしているため、1か月程度で戻ってくるだろう。そもそもミラーの球速を踏まえれば故障は既定路線でもあるので、長期離脱を避けるための休養としてちょうどよかったかもしれない。
故障前のミラーは今季初登板で6回11奪三振とエースの片鱗を見せたが、その後の2先発で5.2回、7失点と大コケしてしまった。『Stuff+』と『Location+』にみられるようにミラーの課題は自分の持つ球をどうコントロールするかである。『Stuff+』 125は昨季サイ・ヤング賞を受賞したゲリット・コールに匹敵する値だが『Location+』はコールより遥かに低い。休養中に何か浮上のキッカケを発見できるか。
山本由伸
投手史上最高額の12年3億2500万ドルで契約を結んだ山本由伸。最初の1か月を一言で表すなら「成長中」だろう。
ここまで投球のほとんどをフォーシーム、カーブ、スプリット、カッターで組み立てているが、奪三振率、与四球率はメジャートップクラスを走っている一方で、ハードコンタクトが多く平均打球初速やバレル率などの数値はメジャー下位となっている。つまり空振りになりやすい球を投げている一方で、当てられるとほとんどが良い打球になってしまっている。
三振を多く奪えている理由はカーブ/スプリットだ。『Stuff+』はそれぞれ109と135。加えてどちらも被打率.210以下、空振り率35%以上を記録しメジャーの打者相手にも効果的な球となっている。逆にダメージを生み出しているのがフォーシームだ。
山本のフォーシームは『Stuff+』が86とNPB時代ほどに秀でた物ではないことに加え、失投が多いことで集中的に打たれてしまっている。アッパースイング傾向のあるメジャーの打者相手にフォーシームを高めに投げることができればダメージを抑えることができるかもしれない。