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大谷翔平の打撃スタイルに異変が!? ドジャースで急降下した「指標」とは…?【コラム】

2024/07/31

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三振が減ったその理由とは…

 
 以下の大谷選手のMLB入り以降のK%(打席あたり三振数の割合)の推移をみると、三振の減少傾向がさらに明らかになる。なお、2024年の数字は、以降も同じく、現地時間5月5日終了時点のものを前提とする。
 
K%の推移
 
 2021年までは20%台後半の推移を続け、初めてMVPを獲得した2021年には30%近い数字に達していた。2022年~23年も24%前後で推移していた。
 
 このK%が今季に入り大幅に低下、2024年は、前年を5ポイント以上、2021年比で10ポイント以上下回る18.4%を記録している。この数字は、米分析サイト『Fangraphs』記載の予測値を下回る水準だ。
 
 この予測値自体、開幕直後では22.7~24.7%の数字が5月5日時点では21.4~24.2%となり、大谷選手の現状をみて若干修正された可能性が高い。
 

 
 では、なぜ三振数が大幅に減っているのか。球種別にはチェンジアップを中心とするオフスピードのボールに対し、コース別には外角の真ん中~高めに対し空振りや三振をしにくくなったことがうかがえる。
 
 米分析サイト『Baseball Savant』のデータからは、3球種区分(ファストボール、ブレイキングボール、オフスピードボール)別にみた大谷選手の空振り率は以下に推移している。
 
空振り率の推移
 
 2021~2024年にかけて、オフスピード系の球種(スプリット、チェンジアップ、フォーク、スクリュー)の空振り率がほぼ半分になっている。
 
 この低下傾向は、MLB入りした2018年からさかのぼってみるとより明らかだ。2018年は50%近い数字を示し最も空振りしやすかったオフスピード系が、2024年には最も空振りしにくい球種になっているのだ。
 
 他の2球種区分に関しても、2023年に一旦上昇しているが、2021~2024年でみると低下傾向にある。
 
 詳細な球種区分でみると、特に2023~24年にかけてのチェンジアップに対する空振り率やK%の低下が目立つ。2021~2024年の間のこれらの指標の推移は以下のとおりである。
 

空振り率:36.6%→30.5%→32.6%→19.2%
K%:29.3%→23.0%→19.4%→13.3%

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