大谷翔平の”攻略法”はある…?相手投手がするべき「攻め方」と「特徴」とは?【MLB】
2024/05/19
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攻略のカギは“インロー”への攻め?
米分析サイト『Baseball Savant』のデータをもとに、5月12日終了時点での大谷選手のコース別打撃成績をみると、ストライクゾーンではインコース低めが最も有効で、真ん中高めやインコース高めがこれに続く。
特に打率、長打率とも.200であるインコース低めは、三振率は50%、空振り率が38%に達している。アウトコース高めや真ん中低めのストライクコースも空振りを取るには有効だが、長打を打たれる危険の高いコースでもある。
ボールゾーンをみると、外角低めは空振りが多く取れ長打も少なく比較的安全なコースだが、外角高めは、三振や空振りを取りにくく、打率や長打率も高くなっている。
同一時点の球種別打撃成績をみると、カットボールやスウィーパーに対する打率が2割を下回り、空振りの割合も高くなっている。スライダーも空振りを奪いやすいボールではあるが、長打率も8割を超え、空振りを取れないと長打を打たれる危険が大きい。シンカーについては、打率は高いが長打率は低くなっている。
大谷選手が三球三振に打ち取られた最近の例を示す。5月4日のアトランタ・ブレーブス戦でのブライス・エルダー投手(右投手)の同選手に対する投球だ。エルダー投手は、初球にインコース高めに投げ、3球目に空振り率の高いスライダーを打率の低いインコース低めに投げ三振を奪っている。
次は大谷選手にボール球をうまく振らせた例だ。5月8日、マイアミ・マーリンズの左腕ライアン・ウェザース投手が奪った三振である。3球目にアウトコース低めぎりぎりにフォーシームでストライクを奪った後、外角低めのボール球のスウィーパーを振らせて三振に取った。同じ試合でウェザース投手は大谷選手からもう1つ三振を奪っている。