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大谷翔平、今年も6月を”独壇場”にできる…?「史上最高の5月」から不調の兆しも【MLB】

2024/06/09

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今季の“5月の大谷翔平”はどう違うのか

 

 
 今季5月の大谷選手に関し、過去の5月と明らかに違う指標として、「BABIP」が挙げられる。これは、三振でも本塁打でもないインプレーの打球が安打になる割合で、式で表すと「(安打-本塁打) ÷ (打数-三振-本塁打+犠飛)」となる。
 
 5月におけるこの数字は、2021~2023年の平均は.267だったのが、2024年は.375になった。今季の5月の大谷選手の場合、インプレーになればヒットとなる確率が前年までと比べ1割以上上昇した計算になる。なお、今季3~4月の「BABIP」は.378と、5月と同水準であった。
 
 5月の「BABIP」上昇の背景として、安打の構成比の変化が挙げられる。2021~2023年の平均では単打の割合が50%を切っていたのに対し、2024年6割以上が単打になっている。この数値の上昇は、確実に安打にする打撃内容が増えている証かもしれない。
5月の安打の構成比
 
 なお、BABIPという指標自体に対しては、一般に「長期的には一定の数字に近づく」「一時的に数値が高いのは幸運ということにすぎない」という見方もある。
 
 しかし、大谷選手の場合、安打の構成比の変化という裏付けからみれば、「BABIP」の向上は打撃内容の進化を反映したものと言った方が適切だろう。

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