大谷翔平、ドジャースで”走塁革命”も…?データでみえた覚醒の理由。スピードはMLBトップ100以下に!?【MLB】
2024/06/12
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盗塁成功率上昇の要因、“怪物“との比較
2022年に75.4%だったMLB全体での盗塁の成功率は、2023年80.2%、2024年77.7%と、いずれも2022年を上回る。この上昇の要因として2023年のピッチクロック導入、ベースの拡大などの影響が挙げられている。
しかし、大谷選手の場合、成功率の上昇幅はMLB全体の上昇幅を上回っていることから、この2年の変化の原因をピッチクロックだけに帰することはできない。
今季は、14盗塁のうち85.7%の12盗塁を本拠地ドジャー・スタジアムで記録している。2023年以前の本拠地、エンゼル・スタジアムでの盗塁の割合は53.5%、2021~2023年に限ると50.9%だった。
これらの数字と比較して、今季のホームでの盗塁の割合は突出して高い。一方、大谷選手の盗塁数がドジャースの総盗塁数(37)に占める割合は37.8%だ。ホームのドジャー・スタジアムだと54.5%になる。
この数字は、盗塁数がMLB最多の32であるシンシナティ・レッズのエリー・デラクルーズ選手に関する同様の割合(36.4%、うちホームで43.2%)を上回る。
しかし、だからと言って「ドジャー・スタジアムでの盗塁成功率が高い」と断言できないのも面白いところだ。大谷選手は、ロサンゼルス・エンゼルス在籍時にドジャー・スタジアムで一度も盗塁を成功させていないばかりか、盗塁死を3回記録している。
そのうち2回は捕手が現在のドジャース正捕手のウィル・スミス選手で、1回は記録上ホームスチール失敗となったものだ。