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MLB屈指の安打製造機、イチローは42歳になってもアンタッチャブルな男だった

シーズンが始まる頃、MLB通算3000本達成が危惧されていたマイアミ・マーリンズのイチロー。しかしそんな心配とはうらはらに、チャンスをものにし、記録達成へと着実に近づいている。

2016/05/30

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MLB初のシーズン月間50安打を3度マークしたのはイチロー

 1920年と言えば、ニューヨーク・ヤンキースのベーブ・ルースが新記録の54本塁打を放ち、全米が沸きに沸いた年。
 シスラーもルースと同じアメリカンリーグのセントルイス・ブラウンズ(現ボルチモア・オリオールズ)だったが、この年のリーグ打率は.283、イチローが記録を破った2004年のアメリカンリーグの打率は.270、シスラーの時代よりはるかに投高打低の環境で、イチローは新記録を作ったのだ。

 イチローはこの年「3試合で10安打」と、5回も記録しているが、7月から8月にかけて、空前の猛打を記録している。
 オールスター明けの7/18、レッドソックス戦で5打数2安打だったイチローは、翌7/19に同じカードで4打数2安打、7/20と7/21のアスレチックス戦で2試合連続で5打数4安打、7/19から1回目の3試合10安打を達成。
 さらに7/27のアスレチックス戦で5打数2安打、翌7/28の同カードで4打数3安打、さらに翌7/29のエンゼルス戦で7打数5安打、2度目の3試合で10安打を記録。
 1日置いた7/31のエンゼルス戦で6打数3安打、翌8/1は5打数2安打、雨天中止日を挟んだ8/3のオリオールズとのダブルヘッダー第1戦で5打数5安打、3度目の3試合10安打を記録した。
 7/18から8/17の1か月間で、1試合5安打2回、4安打3回、3安打8回、2安打7回、29試合でマルチヒット20回。
 この間、132打数67安打、打率.508、通算打率は.320から.366まで上がった。

 7月の安打数は51安打、8月は56安打。2か月連続の月間50安打以上は1936年のジョー・メドウィック以来。この年は5月も50安打。1シーズンに50安打以上を3回記録したのはMLBでイチローしかいない。

 イチローの3試合10安打は2006年にも2度記録したが、以後はなかった。

 そして10年後の2016年に42歳で通算8回目を記録したのだ。これも驚異的なことだと言えよう。

 MLB屈指の安打製造機は、まださび付いていない。これからは40代の記録を次々と塗り替えていくのではないか。

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